P50 東京国立博物館蔵
(読み)
入ルセコ能者 数 十 人 タイコ。ドラを打ツて山 能根
いるせこのものすうじゅうにんたいこ どらをうってやまのね
を追フ鹿 一 疋 池 の邊 ニ出後(ウシロ)の山 尓入 時 ニ鉄 砲
をおうしかいっぴきいけのあたりにで うしろ のやまにいるときにてっぽう
雨(アメ)の如 く鹿 鉄 砲 ニあ多り藪(ヤフ)の内 ニ入ル予レ走
あめ のごとくしかてっぽうにあたり やぶ のうちにいるわれはしっ
て鹿 の耳 元 をツキ破 里生 血を吸ヒ个連ハ皆
てしかのみみもとをつきやぶりなまちをすいければみな
々 肝 を津ぶ春鹿 の生 血ハ生 を養 フ良 薬 と
みなきもをつぶすしかのなまちはせいをやしなうりょうやくと
聞 个連ハなり夫 より日も晩 景 ニなり个連ハ爰 ヨリ
ききければなりそれよりひもばんけいになりければここより
お帰 りとて同 勢 の中 ニ入 り返 ル路 田畑 の間 を通
おかえりとてどうせいのなかにはいりかえるみちたはたのあいだをとお
るに先 ヘ立ツ多る人 吾カう王さヲ春あれハ江
るにさきへたつたるひとわがいわさをすあれはえ
戸能江 漢 と云フ者 なり鹿 の耳 元 を裂(サキ)て
どのこうかんというものなりしかのみみもとを さき て
血を吸ヒ个りおそろしき者 なりと云 日も暮レ
ちをすいけりおそろしきものなりというひもくれ
(大意)
略
(補足)
「養フ」、養のくずし字はいままで見なかったような気がします。忘れてたのかな?
生血(なまち)を吸った噂がすぐにひろまりましたが、江漢さんはちっともいやがってはなさそう。目立つこと、人と違うことをすること、うわさをされること、どれも彼にとっては飯よりも好きなことであります。

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