2025年11月14日金曜日

江漢西遊日記六 その42

 

P52 東京国立博物館蔵

(読み)

六 日天 氣鴨 鹿 料  理申  付 酒 を呑ミ宿 能

むいかてんきかもしかりょうりもうしつけさけをのみやどの


倅  浄  瑠璃をか多り一 興  春夫 より亦 御殿

せがれじょうるりをかたりいっきょうすそれよりまたごでん


へ行キ初 午 趣 好 を春夜 八 時 ニ帰 る

へゆきはつうましゅこうをすよるやつどきにかえる


七 日曇 ル八 時 此 より雪 降 出ス庭 の中(ウチ)色 \/

なのかくもるやつどきころよりゆきふりだすにわの  うち いろいろ


かざり物 田舎(イナカ)者 見 物 尓来ル雪 故 皆\/

かざりもの   いなか ものけんぶつにくるゆきゆえみなみな


かえる其 日も夜 の八 時 旅 宿 へ帰 ル

かえるそのひもよるのやつどきたびやどへかえる


八 日天 氣寒 く氷 ル今 日四 時 出  立 せんとて

ようかてんきさむくこおるきょうよつどきしゅったつせんとて


お暇  乞 ニ罷  出ル足 守 侯 お逢 金 五百  疋 ト

おいとまごいにまかりでるあしもりこうおあいきんごひゃっぴきと


八 丈  嶋 一 反 被 下 夫 より所  々  暇  乞 ニ参 り宿 へ

はちじょうじまいったんくださりそれよりところどころいとまごいにまいりやどへ


ハ庄  屋方 より蕎麦(ソバ)を贈 ル段 \/暇(ヒマ)取 漸  く

はしょうやがたより   そば をおくるだんだん  ひま どりようやく

(大意)

(補足)

「六日」、寛政1年2月6日 1789年3月2日。

「倅」、原文では「亻」が「忄」。「璃」、原文では「理」。

「夜八時」、夜中の2時。「七日曇ル八時」、こっちは昼の2時。「今日四時」、朝の10時頃。

「暇乞」、くずし字は二文字で覚えます。

「罷出」、これもセットで覚えます。

「八丈嶋」、島をもらうわけがないので、これは「縞」。

「被下」、これもセットで覚えます。

「段\/」、学んでなければ読めません。

 寒さが一番厳しい折、ましてや「寒く氷ル」という、夜中の2時まで歓談していたわけですけど、寒くなかったのかぁといらぬ心配をしてしまいます。

 

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