P12 東京国立博物館蔵
(読み)
百 疋之(コレ)を贈 ル新 四郎 より千 疋 僕 尓銀(キン)
ひゃっぴき これ をおくるしんしろうよりせんびきぼくに ぎん
子古れをおくる。冬 小 寒 より春 の土用 まで
すこれをおくる ふゆしょうかんよりはるのどようまで
鯨 を取ル備 へあり人 夫二千 人 を育(ヤシノ)フ此ノ
くじらをとるそなえありにんぷにせんにんを やしの うこの
嶋 能一 人也
しまのひとりなり
六 日天 氣さて平 戸ハ都 能景色 ニして門 松
むいかてんきさてひらどはみやこのけしきにしてかどまつ
軒(ノキ)を並 へ上 下 着(キ)多る禮(レイ)者 行 ちがふ足 軽
のき をならべかみしも き たる れい しゃゆきちがうあしがる
安 兵衛方 へ行ク倅 猶(ナヲ)ハ 皆 々 出て雑 煮酒
やすべえかたへゆくせがれ なお はちみなみなでてぞうにさけ
吸 物 を出春夫 より川 﨑 やへ帰 ると爰 尓神
すいものをだすそれよりかわさきやへかえるとここにかん
主 大 蔵 と云 人 参 明日上(カミ)社 参 あり其 節(セツ)
ぬしおおくらというひとまいりあす かみ しゃさんありその せつ
お逢(ア)ヒなされ申 とて懐 中 より目 録 千 疋 取
お あ いなされもうすとてかいちゅうよりもくろくせんびきとり
(大意)
略
(補足)
「六日」、天明9年1月6日。1789年1月31日。
「目録」、『もくろく【目録】⑤ 贈り物としての金。「いはぬ色なる山吹の花を包みし―も,明けては見ねど五十両」〈歌舞伎・天衣紛上野初花〉』。文書などの意味ばかりと思ってましたが、お金そのものを指す言葉でもありました。
江漢御一行はゆく先々で歓待されてます。狭い嶋の中のことですから、かれらのことはすっかり知られていて、先ぶれもでているはずで、今回も足軽安兵衛宅でおもてなしされ、宿泊先川崎やでは神主大臓が待ち受けていました。
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