2025年10月29日水曜日

江漢西遊日記六 その26

P36 東京国立博物館蔵

(読み)

出春亦 酒 を買って呑 夫 より飯 出春爰

だすまたさけをかってのむそれよりめしだすここ


元(モト)ハ魚  ハ一 向 尓なし玉 子フハ\/尓して出し

  もと はさかなはいっこうになしたまごふわふわにしてだし


个り今 利路ニて足 の甲(コウ)者れ痛 武夜 尓

けりいまりじにてあしの  こう はれいたむよるに


入り雨 止(ヤマ)春゛

いりあめ  やま ず


十  七 日 兎角 雨天 五 ツ時 畝 町 を出  足 して

じゅうしちにちとかくうてんいつつどきうねまちをしゅっそくして


駕籠ニて赤 間ヨリ亦 駕籠を次キ木屋能

かごにてあかまよりまたかごをつぎこやの


瀬(セ)ヘ四里此 路 誠  尓田の如 し此 邊 石 炭

  せ へしりこのみちまことにたのごとしこのへんせきたん


を掘 出春農(ノウ)夫の墓(ハカ)路 者゛多尓有 石 塔 皆

をほりだす  のう ふの  はか みちば たにありせきとうみな


石 炭 の中 より出て不燃  物 皆 木能化石

せきたんのなかよりでてもえざるものみなきのかせき


なり木 目あり節(フシ)枝 あるなり小  なるハ路 \/

なりもくめあり  ふし えだあるなりしょうなるはみちみち

(大意)

(補足)

「玉子フハ\/尓して」、玉子は高価で贅沢品。まさか生卵ではなく、だし巻き玉子をやわらかくふわふわにしたもののような気がします。

「今利」、伊万里。

「十七日」、天明9年1月17日。1789年2月11日。

「五ツ時」、朝8時頃。

「畝町村」、赤間村、木屋瀬宿。足の甲がはれてしまったので、駕籠にのりました。画像の左隅が畝町村、赤い線の街道を右上に上がり、二股になるところが赤間村、右下にすすんで川を渡ってすぐが木屋瀬村。

 農夫の墓石が石ではなく、石炭の化石で木目が表れてとあり、黒くてツヤツヤした木の切り株のようなものだとおもいます。「いわき市石炭・化石館 ほるる」で実物を見たことがあります。

 

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