2025年10月4日土曜日

江漢西遊日記六 その1

P1 東京国立博物館蔵

(読み)

天 明 己   酉 元 日 天 氣寒 し朝 明ケ七  時 に

てんめいつちのととりがんじつてんきさむしあさあけななつどきに


起 家 内  者 我 等も共 尓雑 煮を祝 フ事

おきいえうちのものわれらもともにぞうにをいわうこと


也 餅 丸 シ芋 あ王び昆布(コンブ)を入 ル四 時 比

なりもちまるしいもあわび   こんぶ をいれるよつどきころ


せち料  理を喰ヒ夫 より衣服 を改  メ大 主

せちりょうりをくいそれよりいふくをあらためおおしゅ


人 又 左衛門 方 へ行ク酒 出ル又 左衛門 ハ六 十  ニちか

じんまたざえもんかたへゆくさけでるまたざえもんはろくじゅうにちか


き人 ニて内 方 ハ五十  位  能婦人 金 入 錦

きひとにてうちかたはごじゅうくらいのふじんきんいりにしき


能津末(マ)裏 付 て打 かけ縮緬(チリメン)惣 模様

のつ  ま うらつけてうちかけ   ちりめん そうもよう


を着(キ)多り夫 より爰 の親 族 亦 右衛門と云

を  き たりそれよりここのしんぞくまたえもんという


人 能方 へ行ク爰 能主 人 ハ五十  位  にして婦(フ)

ひとのかたへゆくここのしゅじんはごじゅうくらいにして  ふ


人 ハ三 十  一 二と見ヘ美なり筑 前 より此 嶋

じんはさんじゅういちにとみえびなりちくぜんよりこのしま

(大意)

(補足)

「天明己酉元日」、天明9年1月1日。1789年1月26日。

「朝明ケ七時」、午前4時頃。

「四時比」、午前10時頃。

「内方」、『うちかた。② 他人の妻の敬称。奥方。裏方。「―は悋気(りんき)ふかし」〈浮世草子・好色一代女4〉』

 明け方4時頃に起床して、まず雑煮で祝い、つづいて10時頃におせち料理を食べてます。それから挨拶まわり。なんともゆったりした元日の時間の流れです。

 江漢さんはやはり着物好き、だけではなくかならずなんらかの品定めを行います。

 

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