2025年10月24日金曜日

江漢西遊日記六 その21

P30 東京国立博物館蔵

(読み)

なり硫黄 の氣能燃 ルなり扨テ冨士能画

なりいおうのきのもえるなりさてふじのえ


を認  メ亭 主 ニ贈(ヲクル)酒 菓子を出し馳走 春此

をしたためていしゅに  おくる さけかしをだしちそうすこの


地も暖 土ニして多゛い\/の木を家 毎 ニ植へて

ちもだんどにしてだ いだいのきをいえごとにうえて


酢ニ用 ユ

すにもちゆ


十  四 日雨天 此 日出  立 せんと春主 人 云 明

じゅうよっかうてんこのひしゅったつせんとすしゅじんいうあ


日ハ爰 もと松 林  と申  て先祭(マツリ)能様 なる事

すはここもとまつばやしともうしてまず まつり のようなること


ニて家 々 煉(ネリ)酒 を造 里祝(イワウ)元 来 此 松 林

にていえいえ  ねり さけをつくり  いわう がんらいこのまつばやし


と云フハ昔 シ此 博 多尓唐 舩 能著(ツキ)多る処  ニて

というはむかしこのはかたにからぶねの  つき たるところにて


天 領  なり今 黒 田侯 能領  地となる昔 シ

てんりょうなりいまくろだこうのりょうちとなるむかし


能遺風 残 りて町  人 麻 の肩衣(カタキヌ)下 ハタチ

のいふうのこりてちょうにんあさの   かたぎぬ したはたち

(大意)

(補足)

「十四日」、天明9年1月14日。1789年2月8日。

「松林」、松囃子(まつばやし)。『まつばやし【松囃子・松拍子】

① 中世,正月に行われた囃子物。町村で組を作って趣向をこらし,権門勢家を訪れて祝言を述べたもの。のち,猿楽の太夫が将軍家などで勤めた。現在,民俗芸能として熊本県菊池市・福岡市などに残る。飾り囃子。

② 江戸時代,正月に行われた謡初め。将軍家や公家では3日に各座の能楽太夫を招いて行い,一般では3日から15日の間に行なった』

「煉(ネリ)酒」、『ねりざけ【練り酒・煉り酒】

白酒の一。蒸した米に酒と麴(こうじ)をいれて熟成させ,石臼(いしうす)でひき,漉(こ)したもの。博多の名産であった。練貫(ねりぬき)酒』

 12日に博多に着き、今日14日出立しようとするも、主人に引き止められた様子。

 

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