P30 東京国立博物館蔵
(読み)
なり硫黄 の氣能燃 ルなり扨テ冨士能画
なりいおうのきのもえるなりさてふじのえ
を認 メ亭 主 ニ贈(ヲクル)酒 菓子を出し馳走 春此
をしたためていしゅに おくる さけかしをだしちそうすこの
地も暖 土ニして多゛い\/の木を家 毎 ニ植へて
ちもだんどにしてだ いだいのきをいえごとにうえて
酢ニ用 ユ
すにもちゆ
十 四 日雨天 此 日出 立 せんと春主 人 云 明
じゅうよっかうてんこのひしゅったつせんとすしゅじんいうあ
日ハ爰 もと松 林 と申 て先祭(マツリ)能様 なる事
すはここもとまつばやしともうしてまず まつり のようなること
ニて家 々 煉(ネリ)酒 を造 里祝(イワウ)元 来 此 松 林
にていえいえ ねり さけをつくり いわう がんらいこのまつばやし
と云フハ昔 シ此 博 多尓唐 舩 能著(ツキ)多る処 ニて
というはむかしこのはかたにからぶねの つき たるところにて
天 領 なり今 黒 田侯 能領 地となる昔 シ
てんりょうなりいまくろだこうのりょうちとなるむかし
能遺風 残 りて町 人 麻 の肩衣(カタキヌ)下 ハタチ
のいふうのこりてちょうにんあさの かたぎぬ したはたち
(大意)
略
(補足)
「十四日」、天明9年1月14日。1789年2月8日。
「松林」、松囃子(まつばやし)。『まつばやし【松囃子・松拍子】
① 中世,正月に行われた囃子物。町村で組を作って趣向をこらし,権門勢家を訪れて祝言を述べたもの。のち,猿楽の太夫が将軍家などで勤めた。現在,民俗芸能として熊本県菊池市・福岡市などに残る。飾り囃子。
② 江戸時代,正月に行われた謡初め。将軍家や公家では3日に各座の能楽太夫を招いて行い,一般では3日から15日の間に行なった』
「煉(ネリ)酒」、『ねりざけ【練り酒・煉り酒】
白酒の一。蒸した米に酒と麴(こうじ)をいれて熟成させ,石臼(いしうす)でひき,漉(こ)したもの。博多の名産であった。練貫(ねりぬき)酒』
12日に博多に着き、今日14日出立しようとするも、主人に引き止められた様子。

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