2025年10月23日木曜日

江漢西遊日記六 その20

P29 東京国立博物館蔵

(読み)

母 親 出て者なし春此 者ゝさ満門 徒宗  ニて

ははおやでてはなしすこのははさまもんとしゅうにて


ぼ多゛ひ所 能和尚  を内 々 生  写 し尓い多し度

ほだ いじょのおしょうをないないしょううつしにいたしたく


とて此 家 能老 奴と一 所 尓寺 ヘ参 り院 主

とてこのいえのろうどといっしょにてらへまいりいんじゅ


尓面 會 して帰 りぬ此 寺 能庭(ニワ)尓木能

にめんかいしてかえりぬこのてらの  にわ にきの


化石 あり大 キサ一 間 余  なり淡(ウス)墨(スミ)色 ニ

かせきありおおきさいっけんあまりなり  うす   すみ いろに


て後 ロ能方 を見れバ真(シン)黒 なる処  あり

てうしろのほうをみれば  しん こくなるところあり


形 ち松 の木ニして枝 あり是 ハ石 炭 能

かたちまつのきにしてえだありこれはせきたんの


中(ナカ)より出 多る者 なり此 邊 豆腐(フ)や餅

  なか よりいでたるものなりこのへんとう ふ やもち


や風呂や皆 石 炭 を焚(タク)故 尓臭(クサシ)此 石

やふろやみなせきたんを  たく ゆえに  くさし このせき


炭 ハ山 能根より堀 出ス開 闢  以前 能化石

たんはやまのねよりほりだすかいびゃくいぜんのかせき

(大意)

(補足)

「堀出ス」、「扌」偏の掘もありますが、ここのは「土」偏です。二つの違いは『扌のほうは手でほること。土のほうは土地をほって水を通したところ(お城の堀など)』とあって、別の字とありました。

「開闢」、『かいびゃく【開闢】(名)スル 〔古くは「かいひゃく」とも〕

① 天地のはじまり。世の中のはじまり。「―以来の最大珍事」』

 

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