2025年10月25日土曜日

江漢西遊日記六 その22

P31 東京国立博物館蔵

(読み)

付 を者き和らんじニて福 岡 能城  内 ヘ入リて

つけをはきわらんじにてふくおかのじょうないへいりて


玄 関 ニ酒 盃 アリ夫 を呑ミ帰 ル事 なり

げんかんにしゅはいありそれをのみかえることなり


今 ハ祭 り能様 尓なり頭  ニハ紫(ムラサキ)。亦紅(モミ)。色 \/尓

いまはまつりのようになりあたまには  むらさき  また もみ  いろいろに


染 多るちりめんの投(ナゲ)頭巾 をか武里腰 尓三(サン)

そめたるちりめんの  なげ ずきんをかぶりこしに  さん


尺  手拭(テヌグイ)をしめ手ニ扇  を持 行クなり往 来

じゃく   てぬぐい をしめてにおおぎをもちゆくなりおうらい


さしきを掛ケ家中  能婦女 見 物 春夫 尓

ざしきをかけかちゅうのふじょけんぶつすそれに


たゐして色\/能ザレ口(クチ)を云ツても失 禮 ニ

たいしていろいろざれ  ぐち をいってもしつれいに


あら春゛とぞ又 福 人 能造 り物 捅(ヲトリ)屋臺(ヤタイ)

あらず とぞまたふくじんのつくりもの  おどり    やたい


夜半 過 迄 三 味せん太 鞁ニて者や春也

やはんすぎまでしゃみせんたいこにてはやすなり


櫛田(クシタ)能宮 博 多第 一 能大 社 なり又 柳

   くしだ のみやはかただいいちのたいしゃなりまたやなぎ

(大意)

(補足)

「和らんじ」、『わらんじ わらんぢ 【〈草鞋〉 】

「わらじ(草鞋)」に同じ。「やつちの糸の―をはき」〈幸若舞・山中常盤〉』

「捅」、踊。

「夜半過迄」、「過」と「迄」のくずし字はまぎらわしいのですけど、ふたつくっついて並ぶのは珍しいかも。くずし字は、「過」は「る」+「辶」、「迄」は「白」+「辶」、のような感じ。

「鞁」、鼓。江漢さんは太鼓をいつも太鞁とかきます。

「櫛田(クシタ)能宮」、『櫛田神社を指す言葉で、博多祇園山笠の発祥の地であり、祭りの中心となっています』。


 

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