P31 東京国立博物館蔵
(読み)
付 を者き和らんじニて福 岡 能城 内 ヘ入リて
つけをはきわらんじにてふくおかのじょうないへいりて
玄 関 ニ酒 盃 アリ夫 を呑ミ帰 ル事 なり
げんかんにしゅはいありそれをのみかえることなり
今 ハ祭 り能様 尓なり頭 ニハ紫(ムラサキ)。亦紅(モミ)。色 \/尓
いまはまつりのようになりあたまには むらさき また もみ いろいろに
染 多るちりめんの投(ナゲ)頭巾 をか武里腰 尓三(サン)
そめたるちりめんの なげ ずきんをかぶりこしに さん
尺 手拭(テヌグイ)をしめ手ニ扇 を持 行クなり往 来
じゃく てぬぐい をしめてにおおぎをもちゆくなりおうらい
さしきを掛ケ家中 能婦女 見 物 春夫 尓
ざしきをかけかちゅうのふじょけんぶつすそれに
たゐして色\/能ザレ口(クチ)を云ツても失 禮 ニ
たいしていろいろざれ ぐち をいってもしつれいに
あら春゛とぞ又 福 人 能造 り物 捅(ヲトリ)屋臺(ヤタイ)
あらず とぞまたふくじんのつくりもの おどり やたい
夜半 過 迄 三 味せん太 鞁ニて者や春也
やはんすぎまでしゃみせんたいこにてはやすなり
櫛田(クシタ)能宮 博 多第 一 能大 社 なり又 柳
くしだ のみやはかただいいちのたいしゃなりまたやなぎ
(大意)
略
(補足)
「和らんじ」、『わらんじ わらんぢ 【〈草鞋〉 】
「わらじ(草鞋)」に同じ。「やつちの糸の―をはき」〈幸若舞・山中常盤〉』
「捅」、踊。
「夜半過迄」、「過」と「迄」のくずし字はまぎらわしいのですけど、ふたつくっついて並ぶのは珍しいかも。くずし字は、「過」は「る」+「辶」、「迄」は「白」+「辶」、のような感じ。
「鞁」、鼓。江漢さんは太鼓をいつも太鞁とかきます。
「櫛田(クシタ)能宮」、『櫛田神社を指す言葉で、博多祇園山笠の発祥の地であり、祭りの中心となっています』。

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