2025年8月30日土曜日

江漢西遊日記五 その35

P35 東京国立博物館蔵

(読み)

罕干世。有古法眼画其筆意如雲

雖然筆勢為妙可愛と表  具尓

        とひょうぐに


裏 書 春誠  尓傍 若  無人 也 文 吉 松  益

うらがきすまことにぼうじゃくむじんなりぶんきちしょうえき


か多わらニ者んべ里个る夜 尓入 帰 ル

かたわらにはんべりけるよるにいりかえる


廿   六 日 雨 天爰 ニ山 形 六 良 ハ鯨  津きなりし可゛

にじゅうろくにちうてんここにやまがたろくろうはくじらつきなりしが


御用 金 数 千 出しけれハ侍(サムラヒ)尓取 立 られ今

ごようきんすうせんだしければ  さむらい にとりたてられいま


ハ平 戸尓住  ス此 日彼 ガ所  ヘ参 ル酒 菓子を

はひらどにじゅうすこのひかれがところへまいるさけかしを


出春爰 ニも蔵 春る画あり山 水 二幅 明人(ミンヒト)

だすここにもぞうするえありさんすいにふく   みんびと


の画なり金碧(キンヘキ)山 水 名(メイ)アリ千 里ト亦 鶴 能

のえなり   こんぺき さんすい  めい ありせんりとまたつるの


画林 良  なとゝ云フへき者 坐しき四 枚 襖(フスマ)

えりんりょうなどというべきものざしきよんまい  ふすま

(大意)

(補足)

「誠尓傍若無人也」、表具に裏書きした「筆勢為妙可愛」は褒めているのでしょうけど、文章ではそうはなっていません。さて?

「廿六日」、天明8年11月26日。西暦1788年12月23日。前回と日付が逆のようです。

 文章後半がわかりにくい。以下のような内容でしょうか。

『明の人の山水画が二幅あって、金碧山水で千里と名がある。また、鶴の画は林良というものの名がある』。

 

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