P10 東京国立博物館蔵
(読み)
十 日天 氣晩 七 時 比 役 所 ヨリ幸 作 を呼ヒ尓参
とおかてんきばんななつどきころやくしょよりこうさくをよびにまいる
帰 りて承 レバ紅 毛 舩 能小舟 鍋 嶌 領 地ヘ吹 流
かえりてうけたまわればこうもうせんのこぶねなべしまりょうちへふきなが
され多るを漂 流 と云 立 し故 尓表 向 となる
されたるをひょうりゅうといいたてしゆえにおもてむきとなる
昼 比ロより大 徳 寺ヘ行ク方 丈 ニ逢 十 四 日尓出
ひるごろよりだいとくじへゆくほうじょうにあいじゅうよっかにしゅっ
立 せん事 を云 酒 吸 物 を出し唐 人 書 外 ニ
たつせんことをいうさけすいものをだしとうじんしょほかに
おらん多指 輪鉄 ニて作 ルタバコ入 餞 別 尓贈 ラ
おらんだゆびわてつにてつくるたばこいれせんべつにおくら
る此 方 からも紙 の画三 枚 絹 地画一 枚 遣 ス
るこのほうからもかみのえさんまいきぬじえいちまいつかわす
平 戸屋しきより飛脚 舟 参 り十 三 日 尓出 舩
ひらどやしきよりひきゃくふねまいりじゅうさんにちにしゅっこう
と申 来 ル
ともうしきたる
十 一 日 雨 天朝 鰯(イワシ)のヌタ尓蕃菽(トウカラシ)ネギを入 シ
じゅういちにちうてんあさ いわし のぬたに とうがらし ねぎをいれし
(大意)
略
(補足)
「十日」、天明8年11月10日。西暦1788年12月7日。
「承」、このくずし字は一度見れば特徴的なので覚えられそう。
「嶌」、普通は「嶋」ですが、「嶌」や「㠀」もあっていろいろです。
「方丈」、『② 〔インドの維摩(ゆいま)居士の居室が一丈四方であったという故事から〕寺の住職の居室。また,住職の俗称。維摩の方丈』
「贈ラる」、江漢さんは人から贈られたときも贈るときも、この日記の中では「贈る」としてますが、ここでは「贈らる」と受け身になっています。
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