2025年8月28日木曜日

江漢西遊日記五 その33

P33 東京国立博物館蔵

(読み)

クロ能事 をあざと云フ其 嫁 三 味せんを弾(ヒク)

くろのことをあざというそのよめしゃみせんを  ひく


先ツ江戸能イタコさ王き能節(フシ)なりよんヤ

まずえどのいたこさわぎの  ふし なりよんや


な婦しと云フ〽王しハ多ミ能者 ちこふよ川て

なぶしという わしはたみのものちこうよって


たもれ情(ナサケ)ありしと親(ヲヤ)尓春る〽松 尓下 り藤(フシ)

たもれ  なさけ ありしと  おや にする まつにさがり  ふじ


美(ミ)事 な物 よ人 能花 なら只(タゝ)見多者゛かり

  み ごとなものよひとのはななら  ただ みたば かり


よんヤな\/  其嫁(ヨメ)木綿 の布 子麻 の葉を

よんやなよんやなその よめ もめんのぬのこあさのはを


染 多る前 多゛れ帯 も木綿 なり二 人能連レ其

そめたるまえだ れおびももめんなりふたりのつれその


なり竒妙  なり二百  年 程 昔 しハ此 様 なるべし

なりきみょうなりにひゃくねんほどむかしはこのようなるべし


と心  能内 おかしくぞ思 ひ个る其 一 間隔(ヘタテ)て閨(ネヤ)アリ

とこころのうちおかしくぞおもいけるそのひとま  へだて て  ねや あり


夜具木綿 なれどサツパリとしてよし予(ワレ)愛(アヒス)

やぐもめんなれどさっぱりとしてよし  われ   あいす

(大意)

(補足)

「さ王き能節」、『さわぎうた【騒ぎ唄】

① 民謡で,お座敷唄のうち,テンポが速く,にぎやかで明るいもの。

② 江戸時代に遊里や酒宴の席などで,三味線や太鼓に合わせて唄ったにぎやかな唄。

③ 下座音楽の一。郭(くるわ)・茶屋など遊興の騒ぎの場面に使われる,大鼓・小鼓・太鼓の入るにぎやかなもの』

「花」、ここのくずし字、学んだはずなのですけど、初めて見るような・・・

 江漢さん、ここの雰囲気をとても気に入って、居心地がよさそうです。ごきげん♪

 

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