P26 東京国立博物館蔵
(読み)
兵衛とて足 軽 舩 方 能頭 役 夫 故 西 国
べえとてあしがるふなかたのかしらやくそれゆえさいごく
諸 大 名 より付 届 あ里故 ニ軽(カル)き者 なれ共
しょだいみょうよりつけとどけありゆえに かる きものなれども
勝 手よし夫 故 小坐しき寄麗(キレイ)ニして在
かってよしそれゆえこざしき きれい にしてある
故 ニ宮 能町 より爰 ニ移 ル安 兵衛ハ六 十 余 能
ゆえにみやのちょうよりここにうつるやすべえはろくじゅうあまりの
老 人 ニて悴 もあり孫 もアリ皆 \/出て敬 尊
ろうじんにてせがれもありまごもありみなみなでてけいそん
春其 坐しき尓白 張リ能小襖 あり先ツ之(コレ)
すそのざしきにしろはりのこぶすまありまず これ
ニ墨 画を描(カ)く安 兵衛話 尓壱岐能国 ハ五
にぼくがを か くやすべえはなしにいきのくにはご
万 石 能処 と云 爰 より十 三 里を隔(ヘタツ)嶋 なり
まんごくのところというここよりじゅうさんりを へだつ しまなり
京 大 坂 邊 能流人 の来ル嶋 なり寺 ハ
きょうおおさかへんのるにんのくるしまなりてらは
五十 ケ寺あると云 冨 貴なる者 あり八 幡
ごじゅっかじあるというふうきなるものありはちまん
(大意)
略
(補足)
「寄麗(キレイ)」、綺麗。
「悴」、倅。悴は「かじかむ。やつれる。スイ」
お殿様じきじきもらったお菓子をみなにみせびらかし、またそのときの様子を語って聞かせたのがきいたのか、宿もランクアップして、江漢さんはご満悦であります。
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