2025年8月19日火曜日

江漢西遊日記五 その24

P24 東京国立博物館蔵

(読み)

同  く禮 をな春失 禮 を春る者 あれハ切捨(キリステ)

おなじくれいをなすしつれいをするものあれば   きりすて


と云 事 とぞ

ということとぞ


廿   一 日 亦 雨 夜 ニ入 大 風 雨晩 八 時 ヨリ客

にじゅういちにちまたあめよるにいりだいふううばんやつどきよりきゃく


家ヘ参 ル町 能中 尓門 玄 関 付 なり八 時 比 ニて

かへまいるまちのなかにもんげんかんづけなりやつどきころにて


侯 馬 ニてお入 り小納 戸方 平 兵衛案 内 ニて

こううまにておはいりこなんどかたへいべえあんないにて


門 の入 口 ニて出向 ヒ直 尓お逢ヒあり子小性

もんのいりぐちにてでむかいじかにおあいありここしょう


七 人 次 能者 四人 紅 毛 書 物 数 々 拝 見

しちにんつぎのものよにんこうもうしょもつかずかずはいけん


夫 より席 画ヲ認  メ酒 肴 菓子薄 茶 ハ自

それよりせきがをしたためしゅこうかしうすちゃはじ


身 茶 室 ニて被下  夜 能四 時 過 ニ旅 宿 尓

しんちゃしつにてくださるよるのよつどきすぎにたびやどに


帰 りぬ町 中  大 さ王き春る旅(リヨクワン)の主 人 云 曰(イハク)

かえりぬまちじゅうおおさわぎする  りょか ん のしゅじんいう  いわく

(大意)

(補足)

「廿一日」、天明8年11月21日。西暦1788年12月18日。

「晩八時」、午後の2時なので、晩ではありません。

「客家」、松浦静山の書斎である楽歳堂(らくさいどう)のこと。松浦史料博物館HPに『静山は平戸城内に楽歳堂(らくさいどう)という現在の博物館のような施設を設置しました。そこに当時としても貴重な文物を収蔵します。対象は国内、海外の様々な分野に及んでいます』とあります。

 文章後半は江漢さんの自慢話。いつもながら、このようなときは謙虚さなど、これっぽっちもうかがえません。

 静山、このとき31歳でした。

 

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