2025年8月9日土曜日

江漢西遊日記五 その14

P14 東京国立博物館蔵

(読み)

ハ扨 々 キタナキ家 尓泊 ル事 かなと云 个り此

はさてさてきたなきいえにとまることかなといいけりこの


所  能者 喰  事春るを見ル尓且 て米 麦 を不喰

ところのものしょくじするをみるにかつてこめむぎをくわず


瑠  球  芋 を蒸(ム)して籠 ニ入 夫 能ミ喰ヒ菜(サイ)ニハ

りゅうきゅういもを  む してかごにいれそれのみくい  さい には


生(ナマ)大 根 う春く切リ塩 ニてもミ多るなり

  なま だいこんうすくきりしおにてもみたるなり


十  五日 とかく時雨 なり朝 五 ツ時 尓舩 を出ス風

じゅうごにちとかくしぐれなりあさいつつどきにふねをだすかぜ


津よし波 高 し大 村 領  小串(グシ)と云 ニ舩 を掛

つよしなみたかしおおむらりょうお  ぐし というにふねをか


け又 亀(カメ)ガ浦 ニ入 ル雪 と雨 降ル小舟 なれハト

けまた  かめ がうらにはいるゆきとあめふるこぶねなればと


マをかけれハ立ツ事 なら春゛舩 頭 よりキタナキ蒲

まをかければたつことならず せんどうよりきたなきふ 


とん一 枚 かり夫 をか婦り寝(フセ)るニ鼻(ハナ)先 へ雪

とんいちまいかりそれをかぶり  ふせ るに  はな さきへゆき


トマ能間  より降り込 積ム大 難 渋  者なし能多袮

とまのあいだよりふりこみつむだいなんじゅうはなしのたね

(大意)

(補足)

「瑠球芋」、琉球芋。「瑠」はるり。

「十五日」、天明8年11月15日。西暦1788年12月12日。

「大村領小串(グシ)」、来るとき10月8日に泊まった彼杵(そのぎ)が地図の右にあります。小串(おぐし)はそこから10時方向のナスみたいな岬の左側のヘタ部分にあります。亀(カメ)ガ浦はきっと、そのあたり。

 長崎なのに、雪も降ってずいぶんと天気は乱れてます。

 

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