P14 東京国立博物館蔵
(読み)
ハ扨 々 キタナキ家 尓泊 ル事 かなと云 个り此
はさてさてきたなきいえにとまることかなといいけりこの
所 能者 喰 事春るを見ル尓且 て米 麦 を不喰
ところのものしょくじするをみるにかつてこめむぎをくわず
瑠 球 芋 を蒸(ム)して籠 ニ入 夫 能ミ喰ヒ菜(サイ)ニハ
りゅうきゅういもを む してかごにいれそれのみくい さい には
生(ナマ)大 根 う春く切リ塩 ニてもミ多るなり
なま だいこんうすくきりしおにてもみたるなり
十 五日 とかく時雨 なり朝 五 ツ時 尓舩 を出ス風
じゅうごにちとかくしぐれなりあさいつつどきにふねをだすかぜ
津よし波 高 し大 村 領 小串(グシ)と云 ニ舩 を掛
つよしなみたかしおおむらりょうお ぐし というにふねをか
け又 亀(カメ)ガ浦 ニ入 ル雪 と雨 降ル小舟 なれハト
けまた かめ がうらにはいるゆきとあめふるこぶねなればと
マをかけれハ立ツ事 なら春゛舩 頭 よりキタナキ蒲
まをかければたつことならず せんどうよりきたなきふ
とん一 枚 かり夫 をか婦り寝(フセ)るニ鼻(ハナ)先 へ雪
とんいちまいかりそれをかぶり ふせ るに はな さきへゆき
トマ能間 より降り込 積ム大 難 渋 者なし能多袮
とまのあいだよりふりこみつむだいなんじゅうはなしのたね
(大意)
略
(補足)
「瑠球芋」、琉球芋。「瑠」はるり。
「十五日」、天明8年11月15日。西暦1788年12月12日。
「大村領小串(グシ)」、来るとき10月8日に泊まった彼杵(そのぎ)が地図の右にあります。小串(おぐし)はそこから10時方向のナスみたいな岬の左側のヘタ部分にあります。亀(カメ)ガ浦はきっと、そのあたり。
長崎なのに、雪も降ってずいぶんと天気は乱れてます。
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