P17 東京国立博物館蔵
(読み)
用 ユる事 なり漸 く尓して爰 を越へ小鯛 可浦 と云フ
もちゆることなりようやくにしてここをこえこたいがうらという
処 ニ七 時 かゝる山 尓社 あり舟 よりあか里磯 邊へ
ところにななつどきかかるやまにやしろありふねよりあがりいそべへ
歩 き向 フ能祠 へ参 ル尓見所 なし舩 頭 其 外 能
あるきむこうのほこらへまいるにみどころなしせんどうそのほかの
乗 合 能者 も爰 ニ知ル者 ありて何 クへ可行 帰 り尓
のりあいのものもここにしるものありていずくへかゆきかえりに
求 メ多るやドフロクとて濁 酒 を我 尓進 メ个る故
もとめたるやどぶろくとてにごりざけをわれにすすめけるゆえ
一 口 呑て 顔 をシカメて止メぬ夫 より其 酒 能
ひとくちのみてかおをしかめてやめぬそれよりそのさけの
当 り多るや昨 夜舟 尓伏し寒 氣能当 里タル
あたりたるやさくやふねにふしかんきのあたりたる
歟頭痛 などして氣分 あしゝ夫 より程 なくして
かずつうなどしてきぶんあししそれよりほどなくして
大 鯛 ガ浦 ニ掛 ル爰 ハ皆 平 戸領 なり因 て田夫能
おおたいがうらにかかるここはみなひらどりょうなりよってたふの
家 尓あか里火ニ当 り个る可゛氣分 あしき故 尓
いえにあがりひにあたりけるが きぶんあしきゆえに
(大意)
略
(補足)
「心を用ユる」、用心はレ点読みでした。
「大鯛が浦」「小鯛が浦」、大小とあるのである程度大きい浦なのかと地図で探しましたが見つけられませんでした。
どぶろくの質はともかくとして、日本中どこにでもあったといわれています。
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