2025年1月2日木曜日

江漢西遊日記二 その2

P2 東京国立博物館蔵

(読み)

大 登山 月 丹 の筆 なり堂 ハ南 面 本 尊

だいとざんげったんのふでなりどうはなんめんほんぞん


観 音 を安 置春鎮 守 南 向 権 現 の社  アリ

かんのんをあんちすちんじゅなんこうごんげんのやしろあり


寺 ハ禅 宗  秋 葉寺 と云 是 ヨリ三河 の国 の

てらはぜんしゅうあきばでらというこれよりみかわのくにの


鳳(ホウ)来(ライ)寺ヘ行ク路 也 即  チ寺 の後  ロ より坂 を

  ほう   らい じへゆくみちなりすなわちてらのうしろくちよりさかを


下 ル事 五十  町  戸倉 と云 処  ニ至 ル山 坂 多(ヲゝ)シ

くだることごじゅっちょうとくらというところにいたるやまさか  おお し


半 里過 てサイ河 なり爰 ニて休 ミ昼  食キ

はんりすぎてさいかわなりここにてやすみちゅうじき


せんとて腰 なるコリを取 出しニギリ飯 を喰 ン

せんとてこしなるこりをとりだしにぎりめしをくわん


とて当 リを見し尓老 婆一 人居テ云 ニハあな多(タ)ど

とてあたりをみしにろうばひとりいていうにはあな  た ど


ちら能お国 のお方 でござると申  故 尓吾(ワレ)等ハ

ちらのおくにのおかたでござるともうすゆえに  われ らは


江戸の者 と云イ个連ハ者゛ゞ能云フ様 ハ夫 ハ\/

えどのものといいければば ばのいうさまはそれはそれは

(大意)

(補足)

 前頁に続いて、鳥居の額には「金明嶺」とあり、山門に「最勝関」そして本堂には「大登山」とあって、月丹の筆とあった。堂は南に面していて、本尊は観音様を安置している。鎮守に南向権現の社がある。寺は禅宗秋葉寺という。

「秋葉寺」、大登山秋葉寺、曹洞宗、秋葉権現があり、鎮火・防火の大神として信仰をあつめた。

「鳳来寺」、三河第一の寺。仁王門と東照宮は江戸初期の建物で重要文化財。

「サイ河」、犀川。秋葉路が通るこの遠江から三河にかけての山間部一帯は天領で中泉代官所の支配、とありました。

「コリ」、行李(こうり)に同じ。『こうり かう―行李・梱】

① 竹または柳などで編み,衣類や旅行用の荷物などを入れるのに用いるかぶせ蓋(ぶた)つきの入れもの。こり。』

「当り」、🎯ではなくて「辺り」。

 この頁の次の次にこの話の部分が画に描かれています。 

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