2025年1月8日水曜日

江漢西遊日記二 その8

P12 東京国立博物館蔵

(読み)

なされるおん方 と問ふ我 等ハ江戸の者

なされるおんかたととうわれらはえどのもの


ニて画を描ク者 なりと云ヒ希れハ左様 なる

にてえをかくものなりといいければさようなる


お方此 邊 ノ地ヘお出 希(マレ)なり何 卒 両  三 日

おかこのへんのちへおいで  まれ なりなにとぞりょうみっか


私   宅 ヘお滞 留  あれと申  个連ど留(トゞマ)ら春゛

わたくしたくへおたいりゅうあれともうしけれど  とどま らず


して去リぬ夫 より鳳 来 寺山 尓かゝる尓

してさりぬそれよりほうらいじさんにかかるに


板 じき川 と云 流 レアリ浅 くして川 の底 皆

いたじきかわというながれありあさくしてかわのそこみな


板 の如 き岩 なり程 なく山 尓登 る尓行

いたのごときいわなりほどなくやまにのぼるにぎょう


者 越 と云 処  一 二町  岩 石 を踏(フミ)攀(よじ)て登 る

じゃごえというところいちにちょうがんせきを  ふみ   よじ てのぼる


頂(イタゞ)きまで五十 町  遥(ハルカ)尓遠 州  海 見へる

  いただ きまでごじっちょう  はるか にえんしゅうかいみえる


山 々 波 能如 し三 四 町  下 リて権 現 の祠  アリ

やまやまなみのごとしさんよんちょうくだりてごんげんのほこらあり

(大意)

(補足)

「希れハ」、「希(マレ)なり」、同じ「希」ですけど、後者はほぼ楷書、前者は変体仮名です。

 前回と同じ地図になりますが、なるほど鳳来寺山からは遠州海が望めそうです。 

 弁喜は天秤棒に衣類や様々な物品をのせて運んだはずですけど、ほんとにこんな「岩石を踏(フミ)攀(よじ)て登る」ようなところを、天秤棒担いで歩んだのでしょうか?

 

0 件のコメント:

コメントを投稿