2025年1月28日火曜日

江漢西遊日記二 その28

P34 東京国立博物館蔵

P35

(読み)

日永 ヘ帰 るべしとて鈴 木氏を出て行ク事

ひえいへかえるべしとてすずきしをでてゆくこと


一 里大 雨 ヤマヅ佐倉 一 色 村 と云 処  アリ

いちりおおあめやまずさくらいっしきむらというところあり


爰 尓御瀧 河 の末 と云 巾 八 九間 アリ手と

ここにおたきかわのすえというはばはっくけんありてと


手を組ンて渡 ル尓向 フ能土手の後 ロより人 出て

てをくんでわたるにむこうのどてのうしろよりひとでて


云フ其 橋 能落チ多る跡 ハ首 も多ゝ春゛と教 へ

いうそのはしのおちたるあとはくびもたたず とおしえ


多り夫 より路(ミチ)なし田能あぜを四五町  者か

たりそれより  みち なしたのあぜをしごちょうばか


里行ク四面 人 家なし雨 ハま春\/降リて

りゆくしめんじんかなしあめはますますふりて


日ハ暮れかゝ里个連ハ心  細(ホソ)くなり个る路一(イツ)

ひはくれかかりければこころ  ほそ くなりけるみち いっ


向(コウ)フ志れ春゛田ハ深 田ニて婦ミ込メハ和らじをシタ

  こう うしれず たはふかだにてふみこめばわらしをした


ヘ置 て足 をぬく漸 \/尓して堤  ヘ至 ル家 一 軒

へおきてあしをぬくようようにしてつつみへいたるいえいっけん

P35

菰 野路なんき

こものじなんぎ


の図

のず


誠  ニ此 時 ノ

まことにこのときの


なんき不可言

なんぎいうべからず


其 時 ひろい多る

そのときひろいたる


石 を持 返 リて

いしをもちかえりて


難 義石 と

なんぎいしと


名ツケ碁 石 を

なずけそのいしを


見て其 時 の

みてそのときの


事 を思 ひ出し个連

ことをおもいだしけれ

(大意)

(補足)

「佐倉一色村」、四日市に流れ込む川を遡り、二股に分かれる右の支流を少し上ると「櫻一色村」がありました。またその付近に佐倉村もあります。 


「漸\/」、この3行まえに「ま春\/」があり、そこの「\/」とおなじかたちになってます。

 こんな暴風の中でも腰に刀をさしています。従者はさすがに天秤棒はなし。大嵐なので雨は線でなく、筆ではらって恐ろしさを強調したようです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿