P34 東京国立博物館蔵
P35
(読み)
日永 ヘ帰 るべしとて鈴 木氏を出て行ク事
ひえいへかえるべしとてすずきしをでてゆくこと
一 里大 雨 ヤマヅ佐倉 一 色 村 と云 処 アリ
いちりおおあめやまずさくらいっしきむらというところあり
爰 尓御瀧 河 の末 と云 巾 八 九間 アリ手と
ここにおたきかわのすえというはばはっくけんありてと
手を組ンて渡 ル尓向 フ能土手の後 ロより人 出て
てをくんでわたるにむこうのどてのうしろよりひとでて
云フ其 橋 能落チ多る跡 ハ首 も多ゝ春゛と教 へ
いうそのはしのおちたるあとはくびもたたず とおしえ
多り夫 より路(ミチ)なし田能あぜを四五町 者か
たりそれより みち なしたのあぜをしごちょうばか
里行ク四面 人 家なし雨 ハま春\/降リて
りゆくしめんじんかなしあめはますますふりて
日ハ暮れかゝ里个連ハ心 細(ホソ)くなり个る路一(イツ)
ひはくれかかりければこころ ほそ くなりけるみち いっ
向(コウ)フ志れ春゛田ハ深 田ニて婦ミ込メハ和らじをシタ
こう うしれず たはふかだにてふみこめばわらしをした
ヘ置 て足 をぬく漸 \/尓して堤 ヘ至 ル家 一 軒
へおきてあしをぬくようようにしてつつみへいたるいえいっけん
P35
菰 野路なんき
こものじなんぎ
の図
のず
誠 ニ此 時 ノ
まことにこのときの
なんき不可言
なんぎいうべからず
其 時 ひろい多る
そのときひろいたる
石 を持 返 リて
いしをもちかえりて
難 義石 と
なんぎいしと
名ツケ碁 石 を
なずけそのいしを
見て其 時 の
みてそのときの
事 を思 ひ出し个連
ことをおもいだしけれ
(大意)
略
(補足)
「佐倉一色村」、四日市に流れ込む川を遡り、二股に分かれる右の支流を少し上ると「櫻一色村」がありました。またその付近に佐倉村もあります。
「漸\/」、この3行まえに「ま春\/」があり、そこの「\/」とおなじかたちになってます。
こんな暴風の中でも腰に刀をさしています。従者はさすがに天秤棒はなし。大嵐なので雨は線でなく、筆ではらって恐ろしさを強調したようです。
0 件のコメント:
コメントを投稿