2025年1月4日土曜日

江漢西遊日記二 その4

P6 東京国立博物館蔵

(読み)

サイ河 ハ天 龍  河 能源(ミナモト)なり川 原ヒヨ\/

さいかわはてんりゅうがわの  みなもと なりかわらひよひよ


と廣 く此 河 舟 渡 シ何(イツ)くを見ても渡 し

とひろくこのかわふなわたし  いづ くをみてもわたし


舟 見得春゛人 の足 跡 あるを見て行 ハ渡 し

ふねみえず ひとのあしあとあるをみてゆけばわたし


場なりと思 ひし尓人 能足 跡 ニハあら春゛獣

ばなりとおもいしにひとのあしあとにはあらず けもの


の足 跡 なり夫 より大 音 ニて舟 よ\/ と

のあしあとなりそれよりだいおんにてふねよふねよと


呼ヒ个連ハどこかゝら舟 出テ个連ハ其 舟 尓

よびければごこかからふねでてければそのふねに


能里渡 里个る六 月 能炎 暑 なれハ往 来 ノ

のりわたりけるろくがつのえんしょなればおうらいの


人 且 てなき故 なり渡 シ守 一 人二 人を渡 シ

ひとかってなきゆえなりわたしもりひとりふたりをわたし


てハ賃(チン)銭 不取  可故 なりとぞ爰 より石 打チと云フ

ては  ちん せんとれざるがゆえなりとぞここよりいしうちという


処  ヘ出 亦 二里を過 て熊(クマ)村 と云フ処 ロ山 の中  段

ところへいでまたにりをすぎて  くま むらというところやまのちゅうだん

(大意)

(補足)

「ヒヨ\/」、辞書にあるのですけど意味は『① (赤ん坊のひよめきなどが)弱々しく動くさま。ひくひく。② ひな鳥などの鳴き声を表す語。ぴよぴよ』とあって、広くにはつながりません。ヒロビロと広いとしても意味が重なってしまうけど、とても広い河原という意味なら通じそうです。

「此河舟渡シ」、「舟よ\/」、ここの「舟」のくずし字は独特、たびたび出てきています。

「六月能炎暑」にもかかわらず、ニギリ飯を食う場面の江漢さんはやや厚着の旅装束。

「石打」、「熊」の場所はこのあたり。 

 掛川から森・三倉・一ノ瀬宿と北上し、秋葉山で西へ、戸倉・石打・熊宿まできました。

 

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