P11 国立国会図書館蔵
(読み)
と起尓まさ門 文字の者や可き
ときにまさかどもじのはやがき
尓ハ可奈ハせまじと
にはかなわせまじと
七 ツ
ななつ
いろは
いろは
をいちど
をいちど
尓可いて
にかいて
ミせる
みせる
ひでさとそれも可奈ハ
ひでさとそれもかなわ
せじと者や引 せ川
せしとはやびきせつ
やう二て八 ツのもじを
ようにてやっつのもじを
いちど尓ひい天ミせ
いちどにひいてみせ
そのうへ
そのうえ
や可らの
やがらの
可年を
かねを
一 ど尓
いちどに
う川て
うって
ミせる
みせる
(大意)
さて(今度は)将門、文字の早書きでは勝たせてなるものかと、七ツいろはを一度に書いてみせた。
秀郷、それも勝たせてなるものかと、早引節用をつかって、八つの文字を一度に引いてみせ、その上、八がらの鉦を一度に打ってみせた。
(補足)
「七ツいろは」、『【七ついろは】
片仮名・平仮名など,七種の字体・書体で書いたいろは歌。近世,手習いの手本とした。「六つで寺入り上げる手本の数々は,―の年弱七つ」〈浄瑠璃・栬狩剣本地〉』。
将門の前にあるのは、「い 以 伊 意 畏 委 異」。
「者や引せ川やう」、早引節用(集)、いろは引きの字典。大衆み向きの実用的な辞書。
八がら鉦が腰から棒で支えられているように見えてしまいますが、棒ではなく紐で腰に結んであって、腰を左右に勢いよく振り回し、両手の撥で叩く。
ここの六つの将門の影も(今度は右側の顔)、ひとつの型をハンコのように押したのではなく、みな彫ってます。影のうち、一人だけに筆を持たせている。
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