2024年10月23日水曜日

時代世話二挺鼓 その8

P4P5 国立国会図書館蔵

P4

(読み)

ひてさとハく川と

ひでさとはぐっと


あんじて个らいハ

あんじてけらいは


ミ奈うしろの

みなうしろの


山 の中 尓志のバせ

やまのなかにしのばせ


志゛ふんひとり

じ ぶんひとり


将 門 尓多いめんする

まさかどにたいめんする


志ん王うさ満ハ

しんのうさまは


者や王ざのめい

はやわざのめい


じんとうけ給  る

じんとうけたまわる


王多くしもすこし

わたくしもすこし


於本へ可゛ござ

おぼえが ござ


連ハ者や

ればはや


王ざ

わざ


くらへ

くらべ


をい多し

をいたし


て王多

てわた


くし可゛

くしが


まけ多ら

まけたら


於ミ可多

おみかた


尓つき

につき


ませ う

ましょう


於まへ可゛

おまえが


於まけ

おまけ


なす川多ら

なすったら


此 多いりを

このだいりを


つぶして

つぶして


可へり川こ

かえりっこ


尓しやう

にしよう


じやァ

じゃぁ


ござり

ござり


ません可

ませんか

(大意)

 秀郷は一計を案じて、家来を皆うしろの山の中にしのばせ、自分ひとりで将門に対面する。

秀郷「新王様は早業の名人と承ります。わたくしも少しおぼえがござりますので、早業くらべをいたして、わたくしが負けたらお味方に付きましょう。親王様がお負けなすったら、この内裏をつぶして、帰ることにしようじゃござりませんか」

(補足)

 大意でまとめることもなく、ほぼそのままで現在使われている文章になっています。

秀郷の武者姿というか鎧甲冑・衣服までなんとも細かく描いています。

 

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