P4P5 国立国会図書館蔵
(読み)
こい川ハ
こいつは
よ可ろう
よかろう
なんち
なんじ
まけ多
まけた
とき
とき
志゛ぶくりツこ
じ ぶくりっこ
なし多゛
なしだ
ぞよ
ぞよ
P4
王連ら両 人 ハ
われらりょうにんは
た王らの
たわらの
きよくもち
きょくもち
かりのうへの
かりのうえの
うハぬりと申
うわぬりともうす
いごハ
いごは
於ミしり
おみしり
く多゛され
くだ され
(大意)
将門「そいつはよかろう。お前が負けたときには、グズグズ文句を云うのはなしだぞよ」
替え玉一「われら両人は、俵曲持、借上上塗ともうす。以後おみしりおきくだされ」
(補足)
「志゛ぶくりツこ」、『じぶく・る(動ラ五[四])
ぐずぐずと文句をいう。すねて理屈をこねる。「『どうせ私は意久地が有りませんのさ』とお勢は―・りだした」〈浮雲•四迷〉』。辞書には何でものってますねぇ。
「きよくもち」、『きょくもち【曲持ち】
曲芸として,手・足・肩・腹などで,樽(たる)・臼(うす)・米俵・人などを持ち上げて自由にあやつる芸』。ここでは、田沼一味が米問屋と結託して悪さをしたことの暗示か、とありました。
「かりのうへのうハぬり」、これはそのままで「恥の上塗り」を掛けている。田沼一味が御用金貸付の名目で私服をこやしたことをにおわせている、とありました。
この三人の替え玉の顔はやけに現実感があって、実際の誰かの似顔絵のように見えてしょうがありません。右側の偽公家の着物柄はひょうたんのようなものも見えます。ひょうたんには酒を入れることもありますから、呑み助をどこかから連れてきたのかも。
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