2024年10月4日金曜日

江戸生艶氣樺焼 その44

P24P25 個人蔵書

(読み)

王可いもの共 ハ

わかいものどもは


御し うぎを

ごしゅうぎを


ちやく本゛くして

ちゃくぼ くして


尓げ多あとで

にげたあとで


本う\゛/

ほうぼ う


いゝふらせ

いいふらせ


とのとの

とのとの


いゝつけ也

いいつけなり

(P24)

二可い可らめぐす

にかいからめぐす


里とハ

りとは


きい多可゛身うけ

きいたが みうけ


とハこれ可゛

とはこれが


者じめてじや

はじめてじゃ

(P25)

於あぶ

おあぶ


奈ふご

のうご


さります

ざります


御しづ可尓

おしずかに


於尓げ

おにげ


奈さりませ

なさりませ


おいらん

おいらん


ごきげん

ごきげn


よふ

よう


於可け於ち

おかけおち


奈さ

なさ


れまし

れまし

(大意)

 若い者どもはご祝儀を手に入れ、逃げたあとで、言いふらせとの言いつけであった。

艶二郎「二階から目薬とは聞いたことがあるが、身請けとはこれがはじめてじゃ」

若い者一「おあぶのうござります。お静かにお逃げなさりませ」

若い者二「花魁ごきげんよう。お駆け落ちなされまし」

(補足)

「ちやく本゛く」、「着服」を「ちゃくぶく」ともいうとあって、それがなまったか。また駆け落ちする客から御祝儀をもらうのも変なので、着服といわせたのかもしれないとありました。

「とのとの」、重複しているのか、何かの言い回しなのか不明です。

 はしごの端両方に縄が巻いてあります。滑り止めのためでしょうが、こんなところまで目が行き届いて描くのですから、恐れ入ります。

 

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