2024年10月30日水曜日

時代世話二挺鼓 その15

P10 国立国会図書館蔵

(読み)

将 門 志よさ

まさかどしょさ


事 尓天

ごとにて


飛げを

ひげを


なて

なで


个れハ

ければ


ひてさと

ひでさと


可年て

かねて


ならい

ならい


いし

いし


八 人 けい尓て

はちにんげいにて


ミせ付 る

みせつける


ちんつん

ちんつん


チャン\/

ちゃんちゃん


トン\/

とんとん


ビイラリ

ぴいらり


ヒヤウ

ひゅう


なる本ど

なるほど


きやう奈

きような


や川多

やつだ


ま多一 人まへ

またひとりまえ


まけ多

まけた


けち

けち


い満\/

いまいま


しひ

しい

(大意)

 将門は七人芸の所作をやって得意満面になっていたので、秀郷は以前より習っていた八人芸を見せつけた。

 ちんつん、チャンチャントントンピイラリヒュウ

将門「なるほど、器用なやつだ。また一人前負けた。ちぇっ、いまいましい」

(補足)

「飛げをなて」、『髭を撫(な)・でる。得意気なようすをする』

「けち」、『(接頭)近世語〕形容詞に付いて,卑しめののしる意を添える。「―ふとい二才野郎ぢやな」〈歌舞伎・幼稚子敵討〉』という理解もありそうです。

 秀郷、襖越しに見せつける八人芸のうち、小鼓・笛・三味線・鉦・太鼓の五つが見えています。撥のもとには鈴もあります。

 将門は笏を膝に立て、負けてくやしい様子。

 

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