2024年10月7日月曜日

江戸生艶氣樺焼 その47

P26P27 東京都立中央図書館蔵

(読み)

P26

これ\/

これこれ


者やまるまい

はやまるまい


王れ\/ハ

われわれは


しぬ多めの

しぬための


志んち うてハ

しんじゅうだは


奈いこゝへ

ないここへ


とめて可゛

とめてが


でる者づ多゛

でるはずだ


どふま

どうま


ち可゛つ多可

ちが ったか


志らん

しらん


きものハミん奈

きものはみんな


あげましやう

あげましょう


可らいのちハ

からいのちは


於多すけ\/

おたすけおたすけ


P27

此 いご

これいご


こん奈於もい

こんなおもい


つきハ

つきは


せまい可

せまいか


\/

せまいか


もうこれ尓

もうこれに


こりぬ事 ハ

こりぬことは


ごさり

ござり


ません

ません

P26

どふで

どうで


こん奈ことゝ

こんなことと


於もいんし多

おもいんした

(大意)

艶二郎「コレコレ、はやまるでない。我々は死ぬための心中ではない。ここで止めようとする者が出てくるはずなのだ。どうまちがったかわからん。着物はみんなあげましょうから、命はお助け、おたすけ」

泥棒二「これ以後、こんな思い付きはしないか、しないか」

艶二郎「もうこれで、懲りごりでございます」

浮名「どうせこんなこととおもいんした」

(補足)

 心中の小道具以外、背景は屋外の風景となって、弦月と稲叢(いなむら)ぐらいが時と季節をあらわすぐらいで、あとは小川の流れやちょっとした下草と木々、そんな心中場所を描くのはそれなりに難しいはず。

 

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