2024年10月15日火曜日

江戸生艶氣樺焼 その55

P30 東京都立中央図書館

(読み)

こゝで

ここで


やき

やき


もちを

もちを


や可連てハ

やかれては


大 奈んぎ

おおなんぎ


多゛可ら

だ から


め可けも

めかけも


どこぞへ

どこぞへ


可多付

かたずけ


ませ ふ

ましょう


王多しハ

わたしは


大 きに

おおきに


可ぜをひき

かぜをひき


まし多

ました


北 尾政 演 画

きたおまさのぶが


京  傳 作

きょうでんさく

(大意)

艶二郎「ここで焼きもちを焼かれては、大変にめんどうなことになるから、妾(めかけ)もどこかへ片付けましょう」

浮名「わたしはずいぶんと風邪をひいてしまいました」

(補足)

 浮名が借り着の右袖を口のあたりに持ち上げながら「可ぜをひきまし多」といっているのは、くしゃみをこらえているのか。どこかで二人のことをうわさしているのだろう、という含みの画だろうと手持ちの本にはありました。なるほどね。

 番頭の候兵衛の目が驚きでパッチリになっていますが、これはいたずら書きで持ち主が書き込んだものでしょう。

 さて、上中下三巻の表紙を紹介して 

「江戸生艶氣樺焼」の〆といたします。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿