P30 東京都立中央図書館
(読み)
こゝで
ここで
やき
やき
もちを
もちを
や可連てハ
やかれては
大 奈んぎ
おおなんぎ
多゛可ら
だ から
め可けも
めかけも
どこぞへ
どこぞへ
可多付
かたずけ
ませ ふ
ましょう
王多しハ
わたしは
大 きに
おおきに
可ぜをひき
かぜをひき
まし多
ました
北 尾政 演 画
きたおまさのぶが
京 傳 作
きょうでんさく
(大意)
艶二郎「ここで焼きもちを焼かれては、大変にめんどうなことになるから、妾(めかけ)もどこかへ片付けましょう」
浮名「わたしはずいぶんと風邪をひいてしまいました」
(補足)
浮名が借り着の右袖を口のあたりに持ち上げながら「可ぜをひきまし多」といっているのは、くしゃみをこらえているのか。どこかで二人のことをうわさしているのだろう、という含みの画だろうと手持ちの本にはありました。なるほどね。
番頭の候兵衛の目が驚きでパッチリになっていますが、これはいたずら書きで持ち主が書き込んだものでしょう。
さて、上中下三巻の表紙を紹介して
「江戸生艶氣樺焼」の〆といたします。
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