P29 国文学研究資料館蔵
(読み)
[命 可゛どこまでものびる]
いのちが どこまでものびる
命 のく春りといふハ王ら川て
いのちのくすりというはわらって
くら春本どのく春りハ奈し
くらすほどのくすりはなし
此 ゑぞうしをごらんじて王らひ
このえぞうしをごらんじてわらい
玉 ふことも志由ハ命 可゛能びて
たまうこどもしゅはいのちが のびて
奈可゛くなり命 のおきどころ
なが くなりいのちのおきどころ
尓こ満り玉 ひ多このやうに
にこまりたまいたこのように
命 の志川本゜をいとま起
いのちのしっぽ をいとまき
尓満以天おく本どのこと
にまいておくほどのこと
那りされバ者川者る能御志ん
なりさればはつはるのごしん
も川おんとし玉 尓もこの
もちおんとしだまにもこの
うへのめでた起さうしハ
うえのめでたきそうしは
奈く満こと尓ゑんめい
なくまことにえんめい
長 寿 のけさくなり
ちょうじゅのげさくなり
こひやう者゛ん\/
ごひょうば んごひょうばん
(大意)
[命がどこまでものびる]
命の薬というものは、笑って暮らすほどよい薬はない。この絵草紙を御覧になって、笑ってらっしゃるお子様方は命が延びて長くなり、命の置く場所がなくなって困ってらっしゃるだろう。凧のように命の尻尾を糸巻きに巻いておくぐらいになっていることだろう。であるからして、初春の御進物やお年玉にも、これ以上のめでたき草紙はない。まことに延命長寿の戯作である。ご評判ごひょうばん。
(補足)
「王らひ玉ふことも志由ハ」、子ども衆となかなか読めませんでした。
「こひやう者゛ん」、ここもはて?濁点がないだけで悩んでしまいます。
「那り」、たまに変体仮名「那」(な)はでてきます。
「長寿」、「長」のくずし字の筆順は最初に「∠」を、次に「L」のような感じ。
命の七変化、今度は凧の尻尾(凧の糸ではなく)になってしまいました。しかし、最後は「笑いにまさる命の薬はない」として「ゑぞうし」を、「こひやう者゛ん\/」とおもいっきり売り込んでいます。
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