P8 国文学研究資料館蔵
(読み)
女 郎 や
じょろうや
の
の
志うち二
しうちに
ぐつと
ぐっと
ふさいで
ふさいで
よの
よの
あける
あける
をまち
をまち
可年
かね
かへる
かえる
とち うゟ
とちゅうより
可ご二のれバ
かごにのれば
さき二のりし
さきにのりし
ひとの
ひとの
王すれて
わすれて
於とせしと
おとせしと
ミへて
みえて
四五百 両
しごひゃくりょう
もさいふ二
もさいふに
可年可゛有
かねが あり
ける可゛
けるが
めつ多奈
めったな
口 をきい
くちをきい
多ら又
たらまた
こいつも
こいつも
くゝり
くくり
付 られん
つけられん
と志らぬ
としらぬ
可保ゝして
かおをして
(大意)
女郎屋での仕打ちにひどく落ち込んで、夜の明けるを待ちかねて帰宅した。途中より駕籠(かご)にのると、先に乗った人のものとおもわれる忘れ物があり、四五百両もの財布があった。うかつに口出しをしてこれにかかわったら、またこいつも引っ付けられるそうなので、そ知らぬ顔をしてやりすごした。
(補足)
「可年かへる」、ここはもちろん「金返る」と洒落ている。
「四五百両」、一から十までの漢数字のくずし字のなかでは五が一番特徴的。
駕籠が隅々まで細かく描写されていてこのまま博物館に展示できそうです。
背景の壁がどうしてこんな上部で立派なものを選んだのか、興味のあるところ。土台に大谷石のような基礎があり、その上には瓦状のものを積み重ね、土と漆喰をはさんで積み上げ、屋根は家紋入りの瓦屋根。どうやら武家屋敷の塀でしょうか。
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