2024年6月11日火曜日

莫切自根金生木 その6

P3P4 国文学研究資料館蔵

P3

(読み)

まん\/ハ

まんまんは


志んゞん

しんじん



きとく

きとく


もミへねバ

もみえねば


いろ\/と

いろいろと


くふう

くふう


をめくらし

をめぐらし


奈んでも

なんでも


や多ら二

やたらに


可しかけ

かしかけ


てせ上

てせじょう


の人 二

のひとに


ぶさ多

ぶさた


をさせ

をさせ


た奈らバ

たならば


可年

かね


ぐらも

ぐらも


くつろぐ

くつろぐ


遍゛しと

べ しと


かし金

かしがね


せ川多ひ

せったい


のこう札

のこうさつ


を可ど口 二

をかどぐちに


かけて

かけて


いさい

いさい


可ま

かま


王ず

わず

P4

くる

くる


ひ登

ひと


ごと二

ごとに


かし

かし


い多゛す

いだ す

(大意)

 萬々は信心の効力もみえないので、いろいろと工夫をめぐらした。むやみやたらに金を貸し付け、世間の人から取り立てもせずにしたのならば、金蔵も窮屈でなくなるだろうと、貸金接待の高札を門口にかけて、詳しい事情も聞かずに来る人それぞれに貸し出した。

(補足)

 借り手の女性が前帯にしています。もうこの頃にはみな後ろだったような気がするのですが。

 この本の絵師喜多川(喜田川)千代女は女性で歌麿の門弟でもあり奥様らしい。人の描き方もうまいし、部屋の隅々まで気配りのある細かい筆使いです。

 

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