2024年6月21日金曜日

莫切自根金生木 その16

P9 国文学研究資料館蔵

(読み)

まん\/ハさだめの者゛より

まんまんはさだめのば より


於りてゑどふし奈ど

おりてえどぶしなど


可多り奈可゛らゆき

かたりなが らゆき


うしろ可ら

うしろから


いぜんの可ごかき

いぜんのかごかき


可ごの中 二於ちて

かごのなかにおちて


ありし可年を

ありしかねを


も川て

もって


於つ可け

おっかけ


むりむ多い二

むりむたいに


於つ付 るゆへ

おっつけるゆへ


いろ\/

いろいろ


いゝ王けを

いいわけを


すれどもきゝいれず

すれどもききいれず


のち尓ハけんく王

のちにはけんか


と奈る

となる

(大意)

 萬々はたのんだところで駕籠から降りて、江戸節などを歌いながら行き、うしろから乗った駕籠の駕籠かきが、駕籠の中に落ちていたと金を持って追いかけてきた。無理矢理押し付けるので、いろいろ言い訳をしたのだが聞き入れてはくれず、そのうち喧嘩となってしまった。

(補足)

「うしろ可ら」、「し」以外、かたちが似ているので、まぎらわしい。

「於つ可け」、「於」がつぶれていてよくわかりませんが、二行あとの同じ位置に「於つ付るゆへ」の「於」と比べると同じ字とわかります。

 右奥の背景は橋のよう。とすると、萬々のうしろの立派な小屋は橋門番でしょうか?屋根は檜皮葺(ひわだぶき)のようですし瓦の重しものっています。それに雨樋もある。壁の銀杏の葉のような意匠は、これはなんだろう。

 

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