P9 国文学研究資料館蔵
(読み)
まん\/ハさだめの者゛より
まんまんはさだめのば より
於りてゑどふし奈ど
おりてえどぶしなど
可多り奈可゛らゆき
かたりなが らゆき
うしろ可ら
うしろから
いぜんの可ごかき
いぜんのかごかき
可ごの中 二於ちて
かごのなかにおちて
ありし可年を
ありしかねを
も川て
もって
於つ可け
おっかけ
むりむ多い二
むりむたいに
於つ付 るゆへ
おっつけるゆへ
いろ\/
いろいろ
いゝ王けを
いいわけを
すれどもきゝいれず
すれどもききいれず
のち尓ハけんく王
のちにはけんか
と奈る
となる
(大意)
萬々はたのんだところで駕籠から降りて、江戸節などを歌いながら行き、うしろから乗った駕籠の駕籠かきが、駕籠の中に落ちていたと金を持って追いかけてきた。無理矢理押し付けるので、いろいろ言い訳をしたのだが聞き入れてはくれず、そのうち喧嘩となってしまった。
(補足)
「うしろ可ら」、「し」以外、かたちが似ているので、まぎらわしい。
「於つ可け」、「於」がつぶれていてよくわかりませんが、二行あとの同じ位置に「於つ付るゆへ」の「於」と比べると同じ字とわかります。
右奥の背景は橋のよう。とすると、萬々のうしろの立派な小屋は橋門番でしょうか?屋根は檜皮葺(ひわだぶき)のようですし瓦の重しものっています。それに雨樋もある。壁の銀杏の葉のような意匠は、これはなんだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿