2024年6月24日月曜日

莫切自根金生木 その19

P10 国文学研究資料館蔵

(読み)

ひ多ち

ひたち



い王

いわ


きの

きの


みず


ある

ある


まじ里を

まじりを


両  二

りょうに


五升  て

ごしょうで


可い於き

かいおき


まし多

ました


その

その


さうバ

そうば


奈らミのや

ならみのや


於王りハ

おわりは


二三 升

にさんしょう


ぐらいの事 多゛ろう

ぐらいのことだ ろう


奈んでも者多らいて

なんでもはたらいて


多可くうつてくりや連

たかくうってくりやれ


これで金 ぐらも

これでかねぐらも


ちつとせき可゛

ちっとせきが


てきやう

できよう


うれしや\/

うれしやうれしや

(大意)

(手代)「常陸(ひたち)や磐城(いわき)の水をふくんだ混じり米を五升一両のものを買い置きました」

(萬代)「その相場なら、美濃や尾張では二三升ぐらいのものだろう。いろいろ工夫して高く売ってしまってくれ」

(妻)「これで金蔵も少しは隙間ができるでしょう。うれしやうれしや」

(補足)

「ひ多ちヤ」、「ヤ」はかすれてしまっていてカタカナ「マ」のようになって、「ヤ」とも「や」ともいずれか不明ですが、「くりや連」の「や」と比べると、ひらがなのようです。

「水」のくずし字はよくでてきますけど、つかみどころのない特徴的なかたち。

「まじ里」、「ま」の中央がかけています。

「両二五升て」、「両」や「升」のくずし字は基本。

「多可くうつてくりや連」、「く」の中央がかすれかけています。次の「く」は「ム」のようなかたちの「く」。

 なんとか金をへらしたい萬々、米の相場が一番高いときに買い置きをして、その米を安くうれば、損をして金は減るはずですけど、ここでは「高く売れ」と萬々。どこかでわたくしは読みちがえていそうです🤔

 

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