P10 国文学研究資料館蔵
(読み)
ひ多ち
ひたち
ヤ
や
い王
いわ
きの
きの
水
みず
ある
ある
まじ里を
まじりを
両 二
りょうに
五升 て
ごしょうで
可い於き
かいおき
まし多
ました
その
その
さうバ
そうば
奈らミのや
ならみのや
於王りハ
おわりは
二三 升
にさんしょう
ぐらいの事 多゛ろう
ぐらいのことだ ろう
奈んでも者多らいて
なんでもはたらいて
多可くうつてくりや連
たかくうってくりやれ
これで金 ぐらも
これでかねぐらも
ちつとせき可゛
ちっとせきが
てきやう
できよう
うれしや\/
うれしやうれしや
(大意)
(手代)「常陸(ひたち)や磐城(いわき)の水をふくんだ混じり米を五升一両のものを買い置きました」
(萬代)「その相場なら、美濃や尾張では二三升ぐらいのものだろう。いろいろ工夫して高く売ってしまってくれ」
(妻)「これで金蔵も少しは隙間ができるでしょう。うれしやうれしや」
(補足)
「ひ多ちヤ」、「ヤ」はかすれてしまっていてカタカナ「マ」のようになって、「ヤ」とも「や」ともいずれか不明ですが、「くりや連」の「や」と比べると、ひらがなのようです。
「水」のくずし字はよくでてきますけど、つかみどころのない特徴的なかたち。
「まじ里」、「ま」の中央がかけています。
「両二五升て」、「両」や「升」のくずし字は基本。
「多可くうつてくりや連」、「く」の中央がかすれかけています。次の「く」は「ム」のようなかたちの「く」。
なんとか金をへらしたい萬々、米の相場が一番高いときに買い置きをして、その米を安くうれば、損をして金は減るはずですけど、ここでは「高く売れ」と萬々。どこかでわたくしは読みちがえていそうです🤔
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