P9 国文学研究資料館蔵
(読み)
いら
いら
ねへといふ奈ら
ねえというなら
志やつ徒らへ
しゃつつらへ
ふつ付 て
ぶっつけて
可へれ
かへれ
せ う志゛き奈ことを
しょうじ きなことを
いへバひと可゛
いえばひとが
こ王可゛ると
こわが ると
於もつて
おもって
けつ可る可
けつかるか
志りも
しりも
せぬ
せぬ
ものを
ものを
ひと尓
ひとに
いゝ
いい
可け
かけ
をする
をする
本そい
ほそい
や川ら多゛
やつらだ
(大意)
(駕籠かき右)「いらねぇというなら、そいつの面を殴ってやれ」
(駕籠かき左)「正直に言えば、こっちが怖がるとおもってるのか(これだけの金をねこばばしたら死罪になる)」
(萬々)「なんにも事情を知らないのに、人に難癖をつけて、肝っ玉の小さいやつらだ」
(補足)
「志やつ」、『しゃつ【奴】(代)〔「そやつ」の転。武士詞〕三人称。人をののしっていう語。あいつ。きゃつ。「―ここへ引きよせよ」〈平家物語•2〉』とありました。武士言葉とありますが、ここは駕籠かきのセリフ、はて?
ところで、ここにでてくる萬々の顔、京伝の肖像画にそっくりです。
京伝30代の頃だったそうです。
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