2024年6月22日土曜日

莫切自根金生木 その17

P9 国文学研究資料館蔵

(読み)

いら

いら


ねへといふ奈ら

ねえというなら


志やつ徒らへ

しゃつつらへ


ふつ付 て

ぶっつけて


可へれ

かへれ


せ う志゛き奈ことを

しょうじ きなことを


いへバひと可゛

いえばひとが


こ王可゛ると

こわが ると


於もつて

おもって


けつ可る可

けつかるか


志りも

しりも


せぬ

せぬ


ものを

ものを


ひと尓

ひとに


いゝ

いい


可け

かけ


をする

をする


本そい

ほそい


や川ら多゛

やつらだ

(大意)

(駕籠かき右)「いらねぇというなら、そいつの面を殴ってやれ」

(駕籠かき左)「正直に言えば、こっちが怖がるとおもってるのか(これだけの金をねこばばしたら死罪になる)」

(萬々)「なんにも事情を知らないのに、人に難癖をつけて、肝っ玉の小さいやつらだ」

(補足)

「志やつ」、『しゃつ【奴】(代)〔「そやつ」の転。武士詞〕三人称。人をののしっていう語。あいつ。きゃつ。「―ここへ引きよせよ」〈平家物語•2〉』とありました。武士言葉とありますが、ここは駕籠かきのセリフ、はて?

 ところで、ここにでてくる萬々の顔、京伝の肖像画にそっくりです。

 京伝30代の頃だったそうです。

 

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