2024年6月26日水曜日

莫切自根金生木 その21

P11P12 国文学研究資料館蔵

(読み)

P12

あき

あき


めへ

めへ


\/  とい

あきめへとい



けれバ

ければ


志多ゝ可

したたか


どうへ

どうへ


ひゐて

ひいて


ぞんじ

ぞんじ


の本可

のほか


もう

もう


ける

ける

P11

ちつとうけつこと

ちっとうけつこと


いつて

いって


多゛れぞ

だ れぞ


てを

てを


多゛




せへ

せへ


きのき可ねへ

きのきかねへ


多゛い可ひんで

だ いがぴんで


ひつきり可゛

ひっきりが


ソレ

それ


六 多゛

ろくだ


よし可

よしか


この者゛く

このば く


ちハ一 可ら

ちはいちから


六 まで

ろくまで


者れバ

はれば


そんハ

そんは


ねへ可゛

ねへが


そふ

そう


いふ

いう


者りハ

はりは


ミん奈

みんな


きら

きら


い多゛

いだ


この

この


やう奈

ような


いめへ

いめへ


ましい

ましい


よとう

よとう


者゛くちハ

ば くちは


ねへ

ねへ

P12

一 者゛んも

いちば んも


うけねへ

うけねへ


多゛ん奈ハ

だ んなは


どう多゛

どうだ




そふ可

そうか


それでハ

それでは


ま多

また




けん可゛

げnが


王る

わる



ろう

ろう

(大意)

あき目へ、あき目へと目が出てしまうので、なんども親の勝ちとなって、予想外の儲けとなってしまった。

(萬々)「ちっとは親と勝負するやつはいねぇのか。気のちいせぇやつらだ」

(博打打ち一)「一番の出目にはピン(一)をはって、押さえは、ソレ、六だ。これでどうだ」

(博打打ち二)「この博打は一から六までまんべんなくはれば損はねぇが、そういうはりはみんなきらいでやらねぇ」

(博打打ち三)「こんな気の滅入る盗人まがいの博打はねぇ。一番もうけねぇ」

(萬々の妻)「旦那はどうか。よさそうか。それではまたご機嫌が悪かろう」

(補足)

「多゛い可ひんでひつきり可゛ソレ六多゛」、一番の出目だと思うのはピンで、「ひっきり」は「押さえ」のことで、六であたればまぁよしとする。

 会話の雰囲気で大意をつかむしかありません。どんな博打なのかも、会話からはサイコロ博打のようではありますが、絵にはサイコロがみあたらないし、貼り札みたいなのがあるだけです。

 まぁこの場面、萬々が蔵から千両箱をへらすために、わざと胴(親)が不利な配当にして博打をしたが、因果といい加減な張り方が災いして、逆に思いのほか儲けてしまったということはわかりました。

 ところで女中さんが用意しているお茶碗は五つ、博打打ち五人へでしょうけど、萬々は?

 

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