2024年6月25日火曜日

莫切自根金生木 その20

P11P12 国文学研究資料館蔵

P11

(読み)

者゛く

ば く


ちを

ちを


うつ

うつ



ミ可゛

みが


もて

もて


ぬと

ぬと


いふ

いう


ことを

ことを


きいて

きいて


これ

これ


くつきやうと

くっきょうと


大 ぜい

おおぜい


てつく王

てっか


うち

うち



あつめ

あつめ


四 王り八 分を

よんわりはちぶを


七 王りくらい二して

ななわりくらいにして


どうをとり

どうをとり


者らひ可け

はらいかけ


け連ども

けれども


いんぐ王と

いんが と


者り可゛

はりが


可多つ徒り二

かたっつりに


奈つ

なっ


(大意)

 博打を打つと身上(しんしょう)をつぶすということをきいて、これは好都合と大勢の博打打ちをあつめ、四割八分を七割ぐらいの胴(親)に不利な配当にして、博打をし始めたのだが、張るところとツキが片寄ってしまって、

(補足)

「いふことを」、「こと」は合字でこれでひと文字。

「くつきやう」、『くっきょう ―きやう【究竟】〔「くきょう」の促音添加〕

② たいへん好都合な・こと(さま)。「手古摺(てこず)つた関係から逃げるには這般(こん)な―な事はない」〈復活•魯庵〉

「てつく王うち」、ここの変体仮名「王」(わ)は「と」にしかみえません。このあと9行目「いんぐ王と」で、「王と」が並んで比較できます。

「どうをとり」、『どうとり【胴取・筒取】

博打(ばくち)の席を貸して,その上がり高に応じて歩合を取ること。また,その人。胴元』。or サイコロを振る役。

「可多つ徒り二」、「片っ釣り」とでも漢字で表現するところでしょうか。片方によってしまうことだとおもうのですけど。

 どの頁も毎度のことですけど、隅々まで書き込んでいる上に、その物品もとても丁寧です。

 萬々はどこにいるかとさがすと、左肩に「萬」とあって、頬被りしている御仁でありました。

 

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