2024年6月16日日曜日

莫切自根金生木 その11

P5P6 国文学研究資料館蔵

(読み)

ヱ奈んとへ

えなんとぇ


きんざん

きんざん


さん可゛

さんが


ちよつと

ちょっと


こいとへ

こいとへ


アイいきい

あいいきい


しやう

しょう


ふくハ

ふくは


そとへまき

そとへまき


ちらしの

ちらしの

P6

於尓ハうちへ

おにはうちへ


\/

おにはうちへ


ひろう多可゛

ひろうたが


可んじんへ

かんじんへ


とふる所 化

とふるしょけ


のそう

のそう


あの可年ハきの者でハ

あのかねはきのはでは


あるめへ可多ゞしハ

あるめえかただしは


ぬすミもの可どちら二

ぬすみものかどちらに


志てもいや奈きミ多゛

してもいやなきみだ


これハ

これは


ありが多

ありがた


山 ぶきいろ

やまぶきいろ

(大意)

(女郎)「え、なんだい、金山さんがちょっと来いとですって。あい、行きやしょう」

(萬々)「福は外へまき散らしの、鬼は内へ鬼は内へ」

(金を拾う人)「拾うたが肝心(勧進)へ通る所化の僧」

(のぞいている遊客)「あの金は木の葉ではあるめいか。それとも盗みものか。どちらにしても気味が悪い」

(金を拾う人)「これはありがたい。山吹色(小判)」

(補足)

「所化」、『しょけ㋒ 僧侶の弟子。修行僧』

「ひろう多可゛可んじんへとふる所化のそう」、いまひとつ理解できないのですけど、さあさあ拾うのが一番とかき集めつつも、所化の僧が拾ったものまで(なかば無理やりに)寺社へ寄付させることを皮肉ったのか。

「多ゞしハ」、『④ それとも。あるいは。ただしは。「酒が飲れぬか,せめてひとり成とも出ぬか,―かへれといふ事か」〈浮世草子・好色一代女•5〉』

 木目の見事な板戸のふすまも豪華ですが、わたしが一番気に入っているはふたつある灯り台。炎までちゃんと描かれています。丸い台に細い支柱、その上にろうそくと単純ですけどいいですねぇ。

 

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