P5P6 国文学研究資料館蔵
P6
(読み)
けい
けい
せい可い二
せいかいに
志可ずと
しかずと
尓王可尓
にわかに
せいろうの
せいろうの
あそびと
あそびと
こゝろざし
こころざし
おもてハ
おもては
里つ
りっ
者゜で
ぱ で
内 しやうハ
ないしょうは
くるしい
くるしい
よくの
よくの
ふ可そふ
ふかそう
奈女 郎
なじょろう
をミ多て
をみたて
志よく王い
しょか い
可らやま
からやま
ぶきを
ぶきを
ふらし
ふらし
三 百
さんびゃく
六 十 日 二
ろくじゅうにちに
閏 月 を
うるうつきを
そへて
そえて
のあげ
のあげ
つめと
つめと
志ろの
しろの
於ちる
おちる
を多のしミけり
をたのしみけり
(大意)
遊女と遊興することにまさるものはないと、妓楼で遊ぼうときめ、見栄えは良いが内実は苦しい、欲の深そうな女郎を選び、初会から小判をまきちらした。三百六十日に閏月を加えて通い詰め、財産が失われていくことを楽しんだ。
(補足)
「せいろう」、『【青楼】
② あげや。女郎屋。妓楼。江戸では官許の吉原を私娼街と区別していった』
「志よく王い」、『しょかい【初会】
① はじめて出会うこと。特に,遊郭で,遊女が初めてその客と会うこと』。二会目を「裏」といい、登楼(とうろう)することを「裏をかえす」という。三会目の登楼で「馴染(なじみ)」になるという。萬々はそんな約束事に頓着せず最初からやり放題というわけです。
「志ろの於ちる」、遊女を傾城ということから、文字通り、城=財産を失うこと。
やまぶき(小判)を撒き散らす萬々が手に抱え持つのは見慣れぬかたちをしてますけど、袋でしょうか。
萬々の左側の花魁は左膝を立てての姿にも見えます。正座もしましたが、立て膝も失礼な座り方ではなく、身分のある方々もする座り方の一つであったそうです。
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