P3P4 国文学研究資料館蔵
P3
(読み)
御へん
ごへん
さいの
さいの
御あて
おあて
こと可゛
ごとが
ござつてハ
ござっては
御しやく
ごしゃく
やうハ
ようは
御むやうで
ごむようで
御さる
ござる
王多くしハ
わたくしは
おん奈で御ざります
おんなでござります
可らせ う人 をつれて
からしょうにんをつれて
まいりませ う可
まいりましょうか
きつとし多せ う人 可゛あつてハ
きっとしたしょうにんが あっては
御可し申 されませぬ
おかしもうされませぬ
ずいぶん
ずいぶん
申 ふらし
もうしふらし
まして
まして
大 ちやく奈
おおちゃくな
かりてを
かりてを
あげませ ふ
あげましょう
(大意)
(萬々)「ご返済の見込みがあるのでござれば、お金をお貸しすることはできません」
(借用の女)「わたくしは女でござりますから、証人をついれてまいりましょうか」
(萬々)「たしかな証人がいましたら、お貸しすることはできません」
(借用の男)「ずいぶん言いふらしまして、ずるい借り手を連れてきましょう」
(補足)
萬々の前にある二段に積み重ねられた箱は千両箱のようです。
そばにある衝立に羽織をひっかけ、衝立の下側には萩のようなしゃれた絵があります。またその上半分は面格子のようになっていて、さらにきっとスライドさせて開閉できるようになっている上等なものだとおもいます。
萬々とやり取りしている借り手たち、会話もですが、物腰が伝わってきます。
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