P7 国文学研究資料館蔵
(読み)
ソレ御めへ様 も ソレつうと可 何 と可 ソレよし可へ
それおめえさまも それつうとか なんとか それよしかへ
ところをずつとね ソレ可へる可ね
ところをずっとね それかえるかね
ソレ
よし可へ
よしかへ
へゝゝゝ
へへへへ
てめへの
てめえの
いふとをり
いうとおり
於れもソレナソレ
おれもそれなそれ
徒つと
づっと
ソレ多尓よつて
それだによって
可へりハ
かへりは
可へらふ可゛
かえろうが
可年ハ奈ん志゛う
かねはなんじゅう
多゛の
だ の
王つち
わっち
どもも
どもも
い多ゝ
いただ
き
き
とうハ
とうは
ござり
ござり
やす可゛
やすが
こん奈二
こんなに
御もらひ
おもらい
申 やしても
もうしやしても
内 志よで
ないしょで
や可ま
やかま
志うござり
しうござり
やす
やす
(大意)
(男)「ソレおめえ様も、ソレつうとか何とか、ソレよしかへ、ところをずっとね、ソレかえるかね(金)、ソレよしかへ、へへへへ」
(萬々)「てめえの言うとおり、おれもソレナソレ、づっとソレだによって、かえりは帰ろうが、金は難渋だの」
(遣り手婆)「わっちどもも、いただきとうはござりやすが、こんなにおもらい申しやしても、内所でやかましゅうござりやす」
(補足)
遊女屋の男が「王けも奈いことぐし\/いつて」いる内容はわからないながらも「あのぉ〜御めえ様も、えぇ〜通というかなんというか、そのぉ〜やめてですね、まぁでもずっとそのままでもね、う〜ん返すのかね、いやぁ〜やっぱしそうじゃないか、ははははは」のようなことなのかと、やはりわけのわからないぼやきになりました。
萬々は「てめえのいうとおりだ。おれもそれそれそれだよ、ずっとそれなのさ。帰るは帰るが、金はやっかいだの」のような感じ。
「御めへ様」、ここの「様」のくずし字は「満」のくずし字の右側だけににています。
「何と可」、「何」がそれらしくみえなくて、違う字かもしれません。変体仮名「於」のようなかたち。
萬々は、まいた小判をざるに集めて返されてのけぞっています。
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