P6P7 国文学研究資料館蔵
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(読み)
於可ミさんといふ可゛つきそひ
おかみさんというが つきそい
ゐる於尓の女 本う尓ハきしん
いるおにのにょうぼうにはきじん
といへとゑてハこの於可ミさんと
といへどえてはこのおかみさんと
いふや川ていし由大 王 より
いうやつていしゅだいおうより
む年き奈もの尓てつ年尓
むねきなものにてつねに
王可゛飛ざもと尓
わが ひざもとに
飛る袮可む者奈と
ひるねかむはなと
いふ二 人の
いうふたりの
ものをつけ
ものをつけ
於き多れ
おきだれ
さんハこの
さんはこの
ころぢいろ可゛
ごろじいろが
でき多の
できたの
多゛れさんハ
だ れさんは
よくきやく
よくきゃく
(大意)
(またそばに、)おかみさんというのが付き添っている。鬼の女房には鬼神といえども、えてして、このおかみさんというやつは亭主大王よりたちが悪い。つねにわが膝元に、昼寝・かむ鼻という二人のものをそばに置き、誰かさんはこの頃、情夫ができたとか、誰かさんはよく客(人を振るとか、)
(補足)
「む年き」、『むねき【胸気】不愉快なこと。気にさわること。また,そのさま。むなけ。「誰だつて余り―な事を云はれるとぐうつと癪に触つて」〈くれの廿八日•魯庵〉』
「二人のものをつけ於き多れさんハこのころぢいろ可゛でき多の多゛れさんハ」、「多れさん」と「多゛れさん」が「誰かさん」とわかるまで、区切りがわかりませんでした。
「ぢいろ可゛」、『【地色】② 花街の女が情夫にした土地の男。「どうだ,―でもできたか」〈洒落本・辰巳之園〉③ 素人娘との色事。「いや,おらは―はきらいだ。比丘尼(びくに)がええ」〈咄本・聞上手〉』
「飛る袮可む者奈」、地獄閻魔の庁にいるとされる「見る目・嗅ぐ鼻」のひっかけ。昼寐(ひる袮)・かむ鼻(者奈)の髪型が特徴的です。ちょっと沖縄風。
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