P8P9 国文学研究資料館蔵
P8
(読み)
きめ うて うらいそれよりハさいの可ハらの
きみょうちょうらいそれよりはさいのかわらの
ことく尓て今 ハ可ふろの奈可満入り
ごとくにていまはかぶろのなかまいり
志゛や个ん奈女 郎 尓つ可ハれて可ら多゛
じ ゃけんなじょろうにつかわれてからだ
中 ハあざと奈りま多竹 村 の
じゅうはあざとなりまたたけむらの
あきぢ う者゛こいちぢ うつんでハちゝこひし
あきじゅうば こいちじゅうつんではちちこいし
二ぢ うつんてハ者ゝこひし又 ハ
にじゅうつんではははこいしまたは
用 多春そのひま尓あき
ようたすそのひまにあき
ざしきへあつまりてきしやご
ざしきへあつまりてきしゃご
者しきやいし奈ご尓すこしハ
はじきやいしなごにすこしは
うきを王春る連ど
うきをわするれど
多ちまち
たちまち
やりて可゛
やりてが
ミつけ多゛し
みつけだ し
志可り
しかり
ちら
ちら
すぞ
すぞ
あハれ
あはれ
奈り
なり
なむ
なむ
や本゛多゛ん
やぼ だ ん
ぶ川
ぶつ
奈むや本゛多
なむやぼ だ
(大意)
帰命頂礼。さてそれからは賽の河原のごとくである。今は禿(かぶろ)の仲間入りをし、邪険な女郎に使われ、体中は痣となる。また竹村の空き重箱を、一つ重ねては父恋し、二つ重ねては母恋いしとおもい、または用を足す(便所に行く)そのすきに、あき座敷に集まって、細螺(きしゃご)のおはじきや石投子(いしなご)で遊び、少しは憂さを忘れるが、たちまち遣手婆が見つけ出して叱り散らす。哀れなことである。南無野暮陀仏。南無野暮だ。
(補足)
「きめうてうらい」、出だしから読めず、「い」が「ハ」にも見えるし。目玉を何度も上下させるも???。「帰命頂礼」なんていう四字熟語しりませんでした。読めるわけなし。『きみょうちょうらい【帰命頂礼】① 仏に信順し,仏の足を自分の頭に戴き,あるいは戴く形をとって礼拝すること。仏教の最敬礼。② 仏に祈念するとき,その初めに唱える語。』
「竹村のあきぢう者゛こ」、吉原江戸町の菓子商竹村伊勢が突出しのお披露目に用意する蒸籠のからになったもの。とものの本にありました。
「きしやご者しき」、『きさごはじき【〈細螺〉弾】キサゴの貝殻を指ではじき当てて勝負を争う遊戯』
「きしやご者しきやいし奈ご」で憂きを忘れて遊ぶ禿たち。廊下には早くみなと遊びたくてあわてて入ってきたのか、草履のひとつが裏返し。
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