2024年2月13日火曜日

九替十年色地獄 その18

P8P9 国文学研究資料館蔵

P8

(読み)

「此 所  の可き大 しやうを

 このところのがきだいしょうを


志んぞう本゛さつと

しんぞうぼ さつと


申  奉   り

もうしたてまつり


可多て尓

かたてに


可奈本うを

かなぼうを


P9

もち多ゝせ給 ふ

もちたたせたもう


これハ可ふろの

これはかぶろの


王るひ事 を

わるひことを


ミ多゛して

みだ して


於いらんへ可奈本゛うを

おいらんへかなぼ うを


ひ可んとの御せい

ひかんとのごせい


ぐ王ん奈り

が んなり

(大意)

 ここで遊ぶ禿たちの餓鬼大将を新造菩薩と申しまつりあげ、片手に鉄棒(かなぼう)を持ち、立たせていらっしゃる。これは禿の悪さを見つけ、花魁へあることないことの告げ口をさせようとの願いがこもったものなのである。

(補足)

「申奉り」、「奉」のくずし字が「在」のようにみえます。

「可奈本゛うをひ可ん」、『かなぼうひき【金棒引き・鉄棒引き】② ちょっとしたことを大げさにふれまわること。また,その人』

 禿は男の子もいて、まったく女の子とおなじ髪型の子もいましたし、ここの左から二人目のような髪型の子もいました。禿になって間もない女の子で日本髪をまだ結えない子は頭のてっぺんでまとめていたのでしょう。

 

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