2024年2月10日土曜日

九替十年色地獄 その15

P6P7 国文学研究資料館蔵

P7

(読み)

じんを

じんを


ふるのと二可い

ふるのとにかい


中  の事 を

じゅうのことを


ミ多゛し可ぎ

みだ しかぎ


出しして

だしして


いつ付 口 を

いつつげぐちを


するこれハ

するこれは


いつでも

いつでも


こしもとの

こしもとの


やく奈り

やくなり


「此 かゞミを

 このかがみを


じやうッ者゜りの

じょうっぱ りの


かゝミと奈つくる

かがみとなずくる


由ゑんハと可く

ゆえんはとかく


女 郎 ハ志やうッ

じょろうはじょうっ


者゜り奈こんじやうで

ぱ りなこんじょうで


な个れハ与き

なければよき


おいらん尓

おいらんに


なられぬ由へ尓

なられぬゆへに


可く奈川゛くと奈り

かくなづ くとなり

(大意)

(よく客)人を振るとか、二階中のことを見つけ嗅ぎ出しして、ひとつつげ口をする。これはいつでも腰元の役目である。

 この鏡をじょうっぱりの鏡と名付けるいわれは、とかく女郎は情っ張りな根性でなければ、よき花魁になることができないために、このように名付けられたのである。

(補足)

「いつ付口を」、この「いつ」は『① ひとつ。「その生活は―の秘密だといふことであつた」〈青年•鷗外〉』でしょうか。う〜ん。

 

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