2024年2月15日木曜日

九替十年色地獄 その20

P8P9 国文学研究資料館蔵

(読み)

P8

「今 用 をしてくる可ら

 いまようをしてくるから


おれもしん尓

おれもしんに


入 てく多゛せへ

いれてくだ せえ


「おらハ

 おらは


きさ満ハ

きさまは


いや多゛いのふ

いやだ いのう


志げミ

しげみ


どん

どん

P9

奈尓やつ

なにやつ


あ多り奈

あたりな


もの可

ものか


本ん

ほん


とう尓

とうに


あ多つ

あたっ


多ハ

たは

(大意)

「今、用事をすませてくるから、おれもあたらしく入れてくだせぇ」

「おらは、貴様はいやだぃ。のう、しげみどん」

「なに、八つ当たりなものか。本当に当たったは」

(補足)

「用」のくずし字を調べると、「司」の中が「夫」のようなものがあります。ここのは「冂」+「夫」のような感じ。

「いや多゛い」、「や多゛」がわかりずらい。

 京伝は奥さん(元花魁)から、この場面にあるような話しを聞いたのでしょうか。大黒柱に結わえ付けられ「新造菩薩客をとれ建立」と叱られるなんていうのは序の口だったのかもしれません。

 

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