P15 国文学研究資料館蔵
(読み)
「まち奈んし
まちなんし
奈可゛しへ
なが しへ
由びの王を
ゆびのわを
於としんし多
おとしんした
と川てきて可ら
とってきてから
せめら連ん
せめられん
しやうと
しょうと
志んぞう
しんぞう
へいき
へいき
奈り
なり
「あんまり多゛
あんまりだ
可う
こう
せ須゛ハ
せず ば
きく
きく
まひ
まい
「これ可ら
これから
ともべやへ
ともべやへ
尓けこまふ
にげこもう
(大意)
「待ってくれぬか。流しへ指の輪を落としてしまった。取ってきてから責められるだろう」と、新造平気で逃げてゆく。
「あんまりだ。こうしなければ言うことを聞くまい」
「これから供部屋へ逃げ込もう」
(補足)
「ともべや」、遊客のお供の者などが控えている部屋。
新造の表情に切羽詰まった感がないのは、毎度のことだからでしょう。
竈(かまど)にはでっかい釜があります。お湯はどんなときにも必要なものでしたからたっぷり沸かしておいたのでしょうか。蓋の上にはこれまた立派な灯り台。地獄の閻魔様が使っているようなものに似ています。
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