P12P13 国文学研究資料館蔵
P13
(読み)
作 者 曰 「くいもの
さくしゃいわくくいもの
可らハ
からは
ひ可゛
ひが
もへる
もえる
きやくハ
きゃくは
き可゛
きが
もめ
もめ
る
る
多゛らう
だ ろう
P12
「里て ふちつと奈んぞ
りちょうちっとなんぞ
く王つせへ
くわっせぇ
おいらア
おいらぁ
ま多゛
まだ
ハら可゛
はらが
よしさ
よしさ
マァぬし
まぁぬし
く王つし
くわっし
「ちと
ちと
奈んそ
なんぞ
めし
めし
上 りまし
あがりまし
「ナニ
なに
王川ちらハ
わっちらは
や川ハり袮き
やっぱりねぎ
ま可゛おい
まが おい
しひよ
しいよ
「そうで
そうで
於す
おす
ぞく尓
ぞくに
もろこし
もろこし
奈ぞ可゛
なぞが
与う
よう
す与
すよ
「もし
もし
おいらん
おいらん
ちよつと
ちょっと
ミゝを
みみを
於多゛し
おだ し
奈んし
なんし
竹 村 の
たけむらの
上 あん
じょうあん
も
も
まん
まん
ざらで
ざらで
奈い
ない
袮へ
ねぇ
(大意)
作者いわく「食べ物からは火が燃える。客は気がもめるだろう」
「里蝶(客の名前)、少し何か食ったらどうだ」
「おいらはまだ腹がへってねぇ、まぁ、あなたが食ってくれ」
「ちと何ぞ召し上がってください」
「なに、わっちらはやっぱり葱鮪(ねぎま)がおいしいよ」
「そうですねぇ。ありふれたとうもろこしなどがいいですよ」
「もし花魁(おいらん)、ちょっと耳をかしてください。竹村の上餡も、まんざらでないねぇ」
(補足)
「ぞく尓」、ありふれた。世間普通の。高雅でない。上品ぶらずに。
遊客の会話、花魁の会話とあちこちにとびますが、適当につなげます。
文献を読むと、吉原のどの遊女屋の自前の料理は高いばかりでまずいことで有名だったそうです。なので吉原の外のうまいと評判の料理店から仕出しをとって花魁を喜ばせたそうであります。
一番左端の若い者にはやはり角が生えています。
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