P11 国文学研究資料館蔵
(読み)
扨 ミつあけすミ見せへ出てもざしきもち奈ぞハ
さてみずあげすみみせへでてもざしきもちなぞは
者じめ一 両 年 ハ奈いしやうのせ王尓奈り
はじめいちりょうねんはないしょうのせわになり
者んじハ可゛し由う尓ハ奈ら袮ど
ばんじわが じゆうにはならねど
そろ\/いろ可゛してミ多く奈り
そろそろいろが してみたくなり
者゛んとう女 郎 のめを志のひ
ば んとうじょろうのめをしのび
六 どうのつぢ尓まよひ
ろくどうのつじにまよい
くるしむ女 郎 すく奈
くるしむじょろうすくな
可ら須゛
からず
(大意)
さて、水揚げがすみ、見世へ出ても、座敷持などは、はじめの一、二年は店の主人の世話になり、万事が自分のおもいどおりにはならない。しかし、そろそろ(好きな客と)色ごとしてみたくなる。番頭(先輩)女郎の目をぬすみ、六道の辻(色と金の間)で迷い苦しむ女郎は少なくない。
(補足)
「者んじハ可゛し由う尓ハ奈ら袮ど」、何度か繰り返し読んでも???「者んじ」は濁点をたして万事、「ハ可゛」はハがわで我が、「し由う」は濁点をつけて自由、こりゃ〜難しい。
三つの立て札を眺めくらべ、さてどうしましょうと迷う遊女は八頭身。袖をつまむ左手がチラリとのぞき、迷う足は草履を履く。
0 件のコメント:
コメントを投稿