2024年2月18日日曜日

九替十年色地獄 その23

P11 国文学研究資料館蔵

(読み)

扨 ミつあけすミ見せへ出てもざしきもち奈ぞハ

さてみずあげすみみせへでてもざしきもちなぞは


者じめ一 両  年 ハ奈いしやうのせ王尓奈り

はじめいちりょうねんはないしょうのせわになり


者んじハ可゛し由う尓ハ奈ら袮ど

ばんじわが じゆうにはならねど


そろ\/いろ可゛してミ多く奈り

そろそろいろが してみたくなり


者゛んとう女 郎 のめを志のひ

ば んとうじょろうのめをしのび


六 どうのつぢ尓まよひ

ろくどうのつじにまよい


くるしむ女 郎 すく奈

くるしむじょろうすくな


可ら須゛

からず

(大意)

 さて、水揚げがすみ、見世へ出ても、座敷持などは、はじめの一、二年は店の主人の世話になり、万事が自分のおもいどおりにはならない。しかし、そろそろ(好きな客と)色ごとしてみたくなる。番頭(先輩)女郎の目をぬすみ、六道の辻(色と金の間)で迷い苦しむ女郎は少なくない。

(補足)

「者んじハ可゛し由う尓ハ奈ら袮ど」、何度か繰り返し読んでも???「者んじ」は濁点をたして万事、「ハ可゛」はハがわで我が、「し由う」は濁点をつけて自由、こりゃ〜難しい。

 三つの立て札を眺めくらべ、さてどうしましょうと迷う遊女は八頭身。袖をつまむ左手がチラリとのぞき、迷う足は草履を履く。

 

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