P6P7 東京都立図書館蔵
P6
(読み)
さてもさね可多个 うハ
さてもさねかたきょうは
志やうぢ起ふうふ可゛
しょうじきふうふが
奈さけのもゝ尓て
なさけのももにて
志者゛し能うへを
しば しのうえを
志の起゛給 ひま多
しのぎ たまいまた
ゆくさ起尓
ゆくさきに
おもむ起
おもむき
給 ひし可゛
たまいしが
この本との
このほどの
つ可れ尓や
つかれにや
御こゝち
おここち
連い奈らず
れいならず
奈らず
ならず
ミちの
みちの
可多和ら尓
かたわらに
やミふし多まひ奈つ可し
やみふしたまいなつかし
きミやこのそらハくもと
きみやこのそらはくもと
のみ奈可゛めやりつれ奈起
のみなが めやりつれなき
いのちを可こちかくミちのく能
いのちをかこちかくみちのくの
つちと奈るとも者奈のミやこの
つちとなるともはなのみやこの
志多ハしく奈ミ多゛尓むせび
したわしくなみだ にむせび
多まひし可゛おりふし可多和らの
たまいしが おりふしかわわらの
(大意)
さて實方卿は、正直夫婦の情けの桃でしばらくは
飢えをしのいでいらっしゃった。ふたたび行く先に
おもむきはしたものの、これほどの疲れはしたことがなく
道のかたわらに病気となってたおれてしまわれました。
雲ばかりの空を眺めては、なつかしき都の空はをおもい
おもいどおりにはならぬ命をうらみ、この陸奥(みちのく)の土になっても
花の都はこいしく、涙にむせび泣かれる。折しもかたわらの
(補足)
「給」のくずし字が何度もでてきます。変体仮名「奈」(な)と似ていてまぎらわしい。
「連い奈らず奈らず」、奈らずがだぶってしまいました。
「くもとのみ」、ひらがなの「み」としましたが、なんか形がおかしい。
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