P8 東京都立図書館蔵
(読み)
「ぶつちめろ\/
ぶっちめろぶっちめろ
「このすゞめハ
このすずめは
おいら可とら
おいらがとり
まへ多だれ尓も
まえただれにも
やることハ
やることは
奈らぬ\/
ならぬならぬ
「こどもらをよく
こどもらをよく
くるめて春ゞめを
くるめてすずめを
多すけてやりませ う
たすけてやりましょう
「こ連\/こども
これこれこども
このぜゝをやる本ど尓
このぜぜをやるほどに
その春ゞめをおれ尓くれ
そのすずめをおれにくれ
よいこじや
よいこじゃ
(大意)
「おさえろ。おさえろ」
「この雀はおいらが捕まえた。誰にもやらないぞ」
「子どもたちにうまく言って、雀を助けてやりましょう」
「これこれ子どもよ、この銭をやるからその雀をおれにくれ、よい子じゃ」
(補足)
「ぶつちめろ」は辞書にないかとおもいきや、のっていました。
『ぶっち・める 【打っ締める】
① 押さえつける。締めつける。動けないようにする。「まんまと烏はわれら―・めました」〈黄表紙・魚鳥塩梅吉〉
② 手に入れる。奪う。ものにする。「今夜あの娘を―・めて見せやう」〈滑稽本・東海道中膝栗毛•2〉
③ こらしめる。とっちめる。「とてもの事に―・めてやらう」〈歌舞伎・忠臣蔵年中行事〉』
「こどもらをよくくるめて」、最初の「く」の字が欠けてしまっているようです。
正直爺さんが手にしている銭は、バラ銭ではなく銭の穴に紐を通した差し銭、けっこう大金であります。
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