2023年9月26日火曜日

桃太郎発端話説 その34

中P4P5 東京都立図書館蔵

中P4

(読み)

ち う\/ と奈起し可゛

ちゅうちゅうとなきしが


者゜つくりとくちあ起て

ぱ っくりとくちあきて


志んきろうの志りご

しんきろうのしりご


多゛満ともいひそう奈

だ まともいいそうな


きをふ起うちより

きをふきうちより


志多きりすゞめとび

したきりすずめとび


いづ連バおやすゞめ

いずればおやすずめ


うれし奈ミ多゛の

うれしなみだ の


すゞめ奈起こそどうり奈り

すずめなきこそどうりなり

(大意)

ちゅうちゅうと泣き(鳴き)、パックリと口を開けて

蜃気楼の尻子玉とばかりに気を吹き出し、中から

舌切雀がとび出した。親雀はうれし涙の

雀泣きは至極もっともなことであった。

(補足)

「者゜つくり」、パックリ。濁点「゛」はついたりつかなかったり、ついても次の字についたりといい加減ですが、半濁点「゜」はもっといい加減で、使われることは使われてもあまり目にしません。

「志んきろうの志りご多゛満」、諺「蛤が蜃気楼を吹く」からか。

 指差す雀衆、一番右の方はちょんまげです。真ん中は着物姿の御婦人日本髷。残る雀は髷の先っちょがちらりと見えます。

 

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