中P2
(読み)
「春ゞめハまよひ
すずめはまよい
こを多づねる尓
こをたずねるに
可袮多いこでハ
かねたいこでは
いでず多けを
いでずたけを
多ゝいていづるゆへ
たたいていずるゆへ
てんとすゞめおどり
てんとすずめおどり
とせ起ぞろの
とせきぞろの
ひや王い(ご)ときいで多ち奈り
ひゃわい ご ときいでたちなり
「せ起そろハすゞめの
せきぞろはすずめの
王らふで多ち可奈と
わらうでたちかなと
お起奈のくも可んぜん
おきなのくもがんぜん
ていなり
ていなり
(大意)
親雀は迷子の子雀をさがすのに
鉦(かね)・太鼓の鳴り物は使わずに
雀だけに竹をたたいてさがし出す。
なので、まったく雀踊りと節季候の中間といった出で立ちでありました。
「節季候(せきぞろ)は雀のわらう出立(でたち)かな」という
芭蕉翁の句が目に浮かぶようである。
(補足)
「ひや王い」、『ひあわい【廂間】たてこんだ家と家のひさしとひさしの間。日の当たらない場所。ひあい。「芸者家二軒の―で,透かすと,奥に…竹垣が見えて」〈婦系図•鏡花〉』とありました。
「せ起ぞろ」、『せきぞろ【節季候】〔「節季に候」の意〕近世の遊芸門付(かどづけ)の一。歳末に二,三人組で「せきぞろ,せきぞろ」とはやして家々を回り,遊芸をして米・銭を請うた。せっきぞろ。「―や弱りて帰る籔の中(尚白)」〈続猿蓑〉』とありました。
「ひや王い(ご)とき」、合字の「こと」を間違えたのだとおもいます。
尻を出して両手にしているのは竹の棒でした。そして踊るようにして探し出す様はこれが本当の雀踊りなのでありました。
わからない言葉も多く、辞書と首っ引き。大変でありました。
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